絵本合法衢@国立劇場

書くタイミングを逸してしまったので、これも簡単に。

昨年は初日を観て、そのときも仁左衛門の完成度の高さは素晴らしかったのだけど、今回はさらに凄かった。

前回は、大学之助がかっこいいと思ったのですが、今回は太平次の良さに目が行きました。
仁左衛門の大学之助の大きさ、太平次の小悪党ぶり、チャーミングさ。まさに悪の華といった感じでした。

特によかったのが、三幕目、高麗蔵の孫七と梅枝のお米を殺した後、どっかと座ってにやりとした笑みを浮かべるところ。ゾクゾクしました。

東北のチャリティ公演のためということでブロマイドが売ってましたので、大詰の閻魔像の前の大学之助と、うんざりお松を殺して井戸を見下ろす太平次の写真を買いました。

それと、昨年も感じたことですが、大学之助の手下は橘三郎、大蔵、當十郎、新蔵、新十郎といった渋くて手堅い役者さんが揃っててよかった。特に殺されちゃう大蔵が良かった。入谷のそば屋なんかもうまい人ですが、貴重な脇役ですね。


四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修
国立劇場文芸課=補綴
通し狂言絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ) 四幕十二場
      国立劇場美術係=美術

       
   序  幕  第一場    多賀家水門口の場
         第二場    多賀領鷹野の場
         第三場    多賀家陣屋の場
   二幕目  第一場    四条河原の場
         第二場    今出川道具屋の場
         第三場    妙覚寺裏手の場
   三幕目  第一場    和州倉狩峠の場
         第二場    倉狩峠一つ家の場
         第三場    倉狩峠古宮の場
         第四場    元の一つ家の場
   大  詰  第一場    合法庵室の場
         第二場    閻魔堂の場



 片岡仁左衛門
 中村時蔵
片岡孝太郎
 片岡愛之助
 市川男女蔵
 中村梅枝
 片岡市蔵
 市川高麗蔵
 坂東秀調
 片岡秀太郎
 市川左團次
            ほか