2/26 博多座二月花形歌舞伎 千秋楽 昼の部

千秋楽昼の部。最初のごあいさつは右近で、前日の笑三郎と同じように拍手のお願い。
千秋楽だけに、力が入ったあいさつでした。

序幕は博多沖の海の場面からで、亀治郎の語る異国話は韓国ネタ。ご当地博多の場面とあって、ここから韓国まで船で何分だとか、ソウルという都で食べ物が辛かっただの、最近はやっているのはカタツムリのパックだとかいう話でした。ぐるりと舞台上の船が回って、「毛剃」のように船の舳先に立っての見得。いい場面ですが、亀治郎は体格的にちょっと風格に欠けるのは残念でした。

次の場面では亀治郎が木琴を演奏する場面がありましたが、木琴が出てくる歌舞伎というのは他にないのではないかと思いますので、江戸時代の人が喜んだのもわかる気がします。眼目のガマの妖術の場面では、ガマが予想よりも大きくて驚きました。

二幕目では小平次とおとわの早変わりが見事。特に、小平次の幽霊が蚊帳の中へスーッと頭を入れ、スルスルスルと中へ入るとすぐに蚊帳からおとわが飛び出してくるのが早くてびっくりしました。大詰めでの宙乗りは五右衛門と同じような葛籠抜け。2階席でしたのでよく見えました。

猿之助四十八撰らしく、いろいろ盛りだくさんで楽しかったです。


昼の部

  猿之助四十八撰の内
一、通し狂言 天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)
  市川亀治郎宙乗り相勤め申し候

  序幕 博多沖元船の場より
  大詰 梅津館奥庭の場まで

      天竺徳兵衛/小平次/おとわ  市川亀治郎
               尾形十郎  市川右近
        木曽官の霊/馬士多九郎  市川猿弥
      小平次妹おまき/梅津桂之介  市川春猿
                奴磯平  市川弘太郎
               百姓正作  市川寿猿
           左馬次郎奥方葛城  市川笑三郎
                枝折姫  市川笑也
             今川左馬次郎  市川門之助