3/3 中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露平成中村座 三月大歌舞伎 初日 夜の部

勘九郎襲名初日の夜の部。

傾城反魂香は、片岡十二集の内というだけあって、若干演出が異なる部分がありました。

例えば、土佐将監の北の方が出ないで、かわりにちょっとおかしみのある下女が出るとか、絵が表に抜けたのを見たとき、普通だと「かか、抜けた!」と叫ぶところは、声を張り上げるのではなく、あまりの驚きに力が抜けたように言って膝から崩れ落ちる感じだったりといった違いがありました。
勘三郎仁左衛門はとても深い夫婦愛が感じられ、よい吃又だったと思いました。


口上は前月に引き続き、みんなが家族のような温かい言葉ばかり。
勘三郎は代々の勘九郎中村座の話をしてました。
海老蔵勘九郎は真面目で、自分も見習いたいというようなことを言って笑いを取っていました。


御所五郎蔵は幕間に上手に仮花道が設置されました。これが非常に効果的。歌舞伎座なんかだと両花道の間が遠すぎるのですが、中村座の距離感だと両側からの渡り台詞のやり取りに臨場感がありました。本来、両花道を使う意味というのはこういうものなんだろうと感じました。

勘九郎が若さゆえにカッとなって殺人に至ってしまった感じにリアリティがありました。七之助がとてもきれいでした。笹野高史が違和感なく溶け込んでいたのが素晴らしかった。


元禄花見踊は、踊りの内容云々より、将来彼らが活躍するようになってほしいなと応援する気持ちで観ました。御曹司に交じって鶴松が一番うまく、目立っていました。



夜の部

一、片岡十二集の内 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
  土佐将監閑居の場

        浮世又平後に土佐又平光起       片岡仁左衛門
              土佐将監光信       片岡亀蔵
              土佐修理之助       坂東新悟
              狩野雅楽之助       市川猿弥
             又平女房おとく       中村勘三郎
              下女おなべ        片岡嶋之亟


二、六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
                      
                      片岡仁左衛門
                      市川海老蔵
                      片岡進之介
                      中村勘三郎
                      中村勘太郎改め勘九郎
                      中村七之助
                      笹野高史
                      片岡亀蔵
                      中村扇雀 


三、曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)
  御所五郎蔵

               御所五郎蔵  中村勘太郎改め勘九郎
              星影土右衛門       市川海老蔵
                傾城逢州       中村七之助
                梶原平蔵       片岡亀蔵
                新貝荒蔵       市川男女蔵
               二宮太郎次       市川猿弥
               花形屋吾助       笹野高史
                傾城皐月       中村扇雀
               甲屋与五郎       片岡我當


四、元禄花見踊(げんろくはなみおどり)
                元禄の衆       中村児太郎
                   同       中村虎之介
                   同       中村鶴松
                   同       中村宜生
                   同       中村国生