新橋演舞場 獨道中五十三驛
土曜日、新橋演舞場に行ってきました。
猿之助十八番のひとつ、獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)です。
東京での公演は13年ぶりだそうです。
1幕目、2幕目、3幕目のそれぞれに見せ場があって、1幕目は猫の化け物の宙乗り、2幕目は20トンの水を使った滝での立ち回り、3幕目はひとり12役の右近の早替わりと盛りだくさん。
場面がものすごく多いのだけど、花道で芝居が行われているうちに場面転換していたり、めまぐるしく、このスピード感はさすがだと思いました。
猿之助の初演昭和56年初日には、上演時間7時間20分で終演時間が11時50分だったそうで、翌日には台本を直して5時間半に縮めたとのことですが、いずれにしてもお客さんも役者も大変だったでしょうね。
一応お家騒動と弥次喜多道中がベースになっているのだけど、あまりストーリーを意識せずに単純に一幕一幕をエンターテイメントとして楽しめました。
一幕目、スーパー歌舞伎なんかでは、宙乗りがクライマックスというのが多いのに、一幕目から宙乗りってぜいたくだけど、構成としてはやっぱり後半の方が盛り上がる気がしました。
二幕目、大滝の場面では段治郎さんが舞台前の方で足を蹴り上げて、水しぶきをお客さんにかけてました。これ、本当は夏にやるべきなんでしょうね。初演は7月だし、過去の公演記録を見ても、6、7月が多いですね。
三幕目、右近の早替わり。すれ違いざまに男女を入れ替わるのと、雷から傘で体を隠しながら舞台上で次の役に替わるのがすごかったです。上手に入って、別の役で花道から出てくるのも、舞台裏では大変なんだろうなと思いながら見てました。
途中では五十三次のやじさんきたさんの奥さん、というやえ、おきちの笑三郎、春猿が客席におりて通路を歩くサービスなんかもあって、とても楽しかったです。
新橋演舞場 弥生花形歌舞伎
猿之助十八番の内
獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)
市川右近十五役早替りならびに宙乗り相勤め申し候
お三実は猫の怪/江戸兵衛/丁稚長吉/信濃屋お半/芸者雪野/帯屋長右衛門/弁天小僧/土手の道哲/女房お絹/鳶頭右之吉/雷/船頭澤七/鬼門の喜兵衛/土手のお六/由留木調之助 (市川右近)
丹波与八郎 (市川段治郎)
重の井姫/荵の方 (市川笑也)
弥次郎兵衛女房おやえ (市川笑三郎)
喜多八女房おきち (市川春猿)
石井半次郎 (市川弘太郎)
赤羽屋次郎作/赤星十三郎 (市川寿猿)
赤堀水右衛門/雲助逸平 (市川猿弥)
由井民部之助/十文字屋おもん (市川門之助)