歌舞伎座 夜の部

すっかり書くのが遅くなって、いまさらな感じですが、1月3日の初日に観に行きました。


お正月ということで、ロビーには役者さんの奥さんらしき着物を着た人もいましたが、残念ながら、よく知らないので誰の奥さんかはわかりませんでした。ただ、市川染五郎の奥さんと長男のいつき君は最近テレビの幸四郎のドキュメンタリーで見てたのでわかりました。


一、壽曽我対面(ことぶきそがのたいめん)            
曽我五郎 :中村吉右衛門
曽我十郎 :尾上菊五郎
小林妹舞鶴中村魁春
近江小藤太 :市川染五郎
八幡三郎 :尾上松緑
化粧坂少将  :尾上菊之助
梶原景時   :松本錦吾
梶原景高   :片岡亀蔵
大磯の虎   :中村芝雀
鬼王新左衛門 :中村梅玉
工藤祐経   :松本幸四郎


定番のおめでたい一幕。吉右衛門幸四郎の競演て好きなんだけど、これはいまいち盛り上がりませんでした。できれば、義太夫狂言で緊迫した対決を見てみたい。


二、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生後に獅子の精 :中村勘三郎
胡蝶の精  :片岡千之助
胡蝶の精  :中村玉太郎
局吉野   :中村歌江
老女飛鳥井 :中村吉之丞
用人関口十太夫 :市川高麗蔵
家老渋井五左衛門 :大谷友右衛門


勘三郎の弥生がかわいらしい。
獅子の毛振りは次があるせいか、ひかえめだったような感じがしました。


胡蝶の精の平成12年生まれコンビ、千之助と玉太郎がかわいらしかった。
玉太郎が台の上でよろけてこけそうになって、後見がさっと支える場面もありましたが、まあご愛嬌。
ちょっと学芸会っぽいなあという感じもしましたが、(なるかどうかわかりませんが)彼らが仁左衛門東蔵になり、いつき君が幸四郎になる頃(40年ぐらい先?)まで歌舞伎を見続けたいなあという気分になります。


三、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)
猿源氏  :中村勘三郎
海老名なあみだぶつ  :坂東彌十郎
博労六郎左衛門  :市川染五郎
庭男実は藪熊次郎太  :片岡亀蔵
亭主  :中村東蔵
傾城蛍火実は丹鶴城の姫  :坂東玉三郎


三島由紀夫の作品。三島って暗いイメージがあるので、こういう喜劇を書いたのって意外な感じがします。


見るのはたぶんこの5年で3回目ぐらいなので、そんなにやんなくてもという感じもしますが、「鰯こーい」の声で、おめでたい気分になって帰れるのは、お正月の芝居としてはとてもいいと思いました。歌舞伎初心者にもおすすめ。歌舞伎は難しいものという固定観念を取り払って、歌舞伎でも笑える演目があるということを教えるには勘三郎を見せるのが一番だと思います。