歌舞伎座 昼の部 魚屋宗五郎・藤娘ほか
昨日、歌舞伎座昼の部へ行ってきました。
昼の部最初は、「重の井子別れ」。乳母となっている重の井のところに、馬子となった息子が訪ねてくるのだが、姫の乳人という立場上、母子いっしょに過ごすことはできないと悲しみながら追い返す話。
過去2回観て2回とも、面白いと思えなかったのだけど、今回は子役の小吉がけなげな子どもを好演していてとてもよかった。重の井役の福助より小吉の方が主役に見えたぐらいでした。学校もあって大変だろうけど、頑張ってほしい。将来が楽しみです。
次が華やかな踊り「奴道成寺」があって、続いて「魚屋宗五郎」。妹を殿様に殺された宗五郎が悲しみのあまり禁酒の誓いを破って酒に酔い、殿様のところに殴りこみに行く。
菊五郎の酔い方がすばらしい。本当に酔っているような目のすわりかた、くだのまきかた。普段いい人なのに飲むとたちの悪くなる人っていますよね。江戸の家庭のにおいが感じられて、こういうのが本当の世話物だなあという感じがしました。
最後は今月の注目の芝翫の傘寿記念の「藤娘」。
とても80歳とは思えません。近くに座っていたおばさま連中が「かわいいわねー。」と言ってましたが、80のおじいさんをかわいいと言わしめてしまう歌舞伎の芸のすごさを感じました。
芋あんどらやきを食べました。秋ですね。
一、恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)重の井
乳人重の井 中村福助
自然薯三吉 坂東小吉
調姫 片岡葵
本田弥三左衛門 市村家橘
二、奴道成寺(やっこどうじょうじ)
白拍子花子実は狂言師左近 尾上松緑
所化 尾上松也
同 尾上右近
三、新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
魚屋宗五郎 尾上菊五郎
女房おはま 坂東玉三郎
磯部主計之助 尾上松緑
召使おなぎ 尾上菊之助
娘おしげ 尾上松也
小奴三吉 河原崎権十郎
菊茶屋女房おみつ 市村萬次郎
父太兵衛 市川團蔵
浦戸十左衛門 市川左團次
四、ご贔屓を傘に戴く 藤娘(ふじむすめ)
藤の精 中村芝翫