5/20 五月新橋演舞場 昼夜
5月の新橋演舞場は5/20に昼夜見ました。
西郷と豚姫は初めて観ました。
翫雀のお玉は太っていて気立てが優しくてというところが翫雀にぴったりのはまり役。幕切れの切ない雰囲気もよく、とてもよい演目だと思いました。
亀鶴の中村半次郎は、いかにも血気にはやる若者らしく、この人のセリフのうまさを感じました。
獅童の西郷はそれなりに見えましたが、もう少し大人物の風格があればもっとよかった。
松也の酔った芸妓が色っぽくてきれいでした。
紅葉狩、福助は鬼女の本性を現わしてからの方が活き活きとして演じているように見えました。
種之助、隼人の若い二人が従者を演じて踊っていましたが、将来が楽しみです。
女殺油地獄は、愛之助の与兵衛は初めて見ましたが、とてもよかった。殺しの場面はゾクゾクしました。
福助も神妙に演じていました。
亀鶴の兄太兵衛、歌六と秀太郎の夫婦は与兵衛のことを思うあたたかい家族の雰囲気がよく出ていて素晴らしかった。
夜の部、椿説弓張月は猿之助がやったときに観たのですが、あまり覚えていませんでした。
今回観て、姫が琴を弾きながら釘を打たせる場面とか、切腹した後ろから大波がかぶさるところや、船が大きく揺れるところや怪魚に乗るところといった、いろいろと見どころがあったのを観てそういえば観たなと思い出したのですが、ひとつひとつの場面場面が印象的なだけで、全体としてのストーリーの流れや統一感を感じられなかったのが覚えていなかった原因かもしれません。
染五郎の為朝が凛々しく、最後の白馬に乗っての花道の引っ込みは美しかったです。
昼の部
一、西郷と豚姫(さいごうとぶたひめ)
仲居お玉 翫 雀
大久保市助 松 江
芸妓岸野 松 也
舞妓雛勇 児太郎
同心兵馬 吉之助
同心新蔵 薪 車
中村半次郎 亀 鶴
西郷吉之助 獅 童
二、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)
更科姫実は戸隠山の鬼女 福 助
山神 愛之助
従者右源太 種之助
同 左源太 隼 人
侍女野菊 児太郎
腰元岩橋 吉之助
局田毎 高麗蔵
余吾将軍平維茂 獅 童
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛 愛之助
お吉 福 助
豊嶋屋七左衛門 翫 雀
兄太兵衛 亀 鶴
芸妓小菊 松 也
妹おかち 米 吉
小栗八弥 児太郎
刷毛の弥五郎 薪 車
皆朱の善兵衛 宗之助
花車お杉 歌 江
山本森右衛門 錦 吾
河内屋徳兵衛 歌 六
母おさわ 秀太郎
夜の部
通し狂言 椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)
上の巻 伊豆国大嶋の場
中の巻 讃岐国白峯の場
肥後国木原山中の場
同じく山塞の場
薩南海上の場
下の巻 琉球国北谷斎場の場
北谷夫婦宿の場
運天海浜宵宮の場
源為朝 染五郎
白縫姫/寧王女(ねいわんにょ) 七之助
高間太郎 愛之助
陶松寿(とうしょうじゅ) 獅 童
鶴 松 江
亀 松 也
左府頼長の霊 廣太郎
舜天丸(すてまる)冠者後に舜天王(しゅんてんおう) 鷹之資
為朝の子為頼 玉太郎
武藤太 薪 車
大臣利勇 由次郎
為義の霊 友右衛門
阿公(くまぎみ)/崇徳(しゅとく)上皇の霊 翫 雀
高間妻磯萩 福 助
為朝妻簓江(ささらえ) 芝 雀
紀平治太夫 歌 六