6/4 国立劇場 歌舞伎鑑賞教室 義経千本桜 

国立劇場の歌舞伎鑑賞教室の初日を観てきました。
一階は学生の団体さんでいっぱいでした。


「歌舞伎のみかた」
解説 中村壱太郎


佐藤忠信実は源九郎狐 坂東巳之助
静御前 中村隼人


まずは歌舞伎のみかた。幕が開くと、隼人の静御前が縛られていて、鳥居前のダイジェスト版のようなものが演じられます。
こういうのがあるとは知らなかったので、得した気分でした。巳之助の忠信がなかなか立派でしたが、声の出し方なんかはもう少し工夫が必要かなと思いました。


解説の壱太郎はテレビで鍛えられたのか、トークはとても上手でした。
観客を上にあげての実演は男の学生さん二人でしたが、壱太郎は質問したり、うまく観客の興味を引きつけていたと思います。
巳之助が21歳、壱太郎が20歳、隼人が17歳という紹介をしたときの会場のえーっという反応が面白かったです。化粧していると年齢がわかりにくいし、自分たちと同じぐらいの年齢の人が歌舞伎をやっているというのも意外なのでしょうね。


映像を使って、義経千本桜のあらすじを説明したり、花道の説明で、揚幕がチャリンという音がしたら人が出てくるので注目してくださいということをさりげなく言っていて、うまいなと思いました。



義経千本桜 河連法眼館の場


佐藤四郎兵衛忠信・源九郎狐 中村翫雀
源九郎判官義経 中村亀鶴
静御前 中村壱太郎
亀井六郎 坂東巳之助
駿河次郎 中村隼人
法眼妻飛鳥 坂東竹三郎
河連法眼 市村家橘



最初は、よく上演される奥から河連法眼が出てくる形ではなく、花道から帰ってくるところからの上演。妻の飛鳥の心を試し、飛鳥が自害しようとするというところが入るので、この夫婦がどういう人なのかがよくわかるし、演技のうまい竹三郎のセリフや演技が増えるので、よかったです。


翫雀の狐忠信は欄干に上ったり、くるくる回転するところなどは、さすがに少し重そうで軽やかではなかったけど、情が感じられてかわいい狐でした。狐言葉は、無理に伸ばしたり変化をつけたり極端にするのではなく、わりと自然に近いしゃべり方でした。


壱太郎の静御前がとにかく綺麗。清楚で可憐で目が釘付けになってしまいました。
亀鶴の義経もよい雰囲気でした。


終演後、伝統芸能情報館へ行ったら、狐忠信が階段から登場するしかけの解説図があって、「こーなってたんだー、いきなり出てたからびっくりしたよねー。」なんて話ている人たちもいたので、花道に注目させるという歌舞伎のみかたでの解説はうまくいったんだなーと思いました。
観慣れているから、はじめての人のこういう反応は新鮮で面白いです。