10月歌舞伎座 夜の部

11日に見に行きました。

夜の部
義経千本桜」


前の列に、イタリア人だか、スペイン人だか、陽気な太った外国人のおばちゃんの団体さんが座ってて、開演前大きな声でしゃべってて、始まってからもゴソゴソしゃべったり笑ったり、座席移動したりして、係員や客に何回か注意されてました。


イヤホンガイドもしてないからせりふも内容もわかってないし、うーん、これは迷惑だなぁと思いながら見てたら、さすがに入江丹蔵の注進のあたりから、緊迫した場面だとわかってきたらしく、さらに吉右衛門が血だらけの衣装で出てきて立ち回りをはじめてからは完全に黙りました。吉右衛門のせりふと気迫の演技が言葉の壁を超えたんですね。


碇知盛という別名のあるだけあって、碇とともに崖から飛び込む最後のところが見所なので、過去に見たときは、義経と知盛の会話のあたりは、早く終わって飛び込めと思ってたりしたのですが、今回は吉右衛門富十郎とのがっぷり四つのやりとりがぐっと胸に来るものがありました。吉右衛門の演技は本当に安徳天皇の身を案じる気持ちと、平家滅亡の無念が伝わってきました。


段四郎の弁慶もよかった。最後に知盛への鎮魂の気持ちで法螺貝を吹くところ、しみじみとた余韻を残してよかったです。


外国人のおばちゃんたちはこの幕で帰ったので、後は落ち着いてみることができました。


通し狂言
  義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  渡海屋
  大物浦
  吉野山
  川連法眼館



  渡海屋・大物浦
     渡海屋銀平実は新中納言知盛       中村吉右衛門
        女房お柳実は典侍の局       坂東玉三郎
              相模五郎       中村歌六
              亀井六郎       中村種太郎
              伊勢三郎       尾上右近
              駿河次郎       中村隼人
              片岡八郎       坂東巳之助
              入江丹蔵       中村歌昇
             武蔵坊弁慶       市川段四郎
               源義経       中村富十郎


  吉野山
        佐藤忠信実は源九郎狐       尾上菊五郎
               静御前       尾上菊之助
              逸見藤太       尾上松緑


  川連法眼館
   佐藤忠信佐藤忠信実は源九郎狐       尾上菊五郎
               源義経       中村時蔵
               静御前       尾上菊之助
              亀井六郎       河原崎権十郎
             法眼妻飛鳥       坂東秀調
              駿河次郎       市川團蔵
              川連法眼       坂東彦三郎