5/4、5/5 大阪松竹座 團菊祭

ゴールデンウィーク大阪松竹座で團菊祭を観ました。

大阪松竹座
團菊祭五月大歌舞伎
昼の部


一、女暫(おんなしばらく)
巴御前    中村時蔵
轟坊震斎    尾上松緑
女鯰若菜    尾上菊之助
成田五郎    片岡市蔵
猪俣平六    市川男女蔵
江田源三    坂東亀三郎
東條八郎    坂東亀寿
清水冠者義高    中村梅枝
手塚太郎    中村萬太郎
紅梅姫  尾上右近
局唐糸    坂東竹三郎
家老根井行親    市村家橘
蒲冠者範頼    市川團蔵
舞台番    市川左團次


時蔵巴御前が品があって美しく、悪人を懲らしめるところは力強く、花道の引っ込みでは愛嬌があって、とてもよかった。今まで、玉三郎雀右衛門福助、萬次郎のを見たことがあって、おおらかさと愛嬌で萬次郎が一番良かったと思っていたのですが、今回の時蔵の方が良かったかも。



二、汐汲(しおくみ)
蜑女苅藻    坂田藤十郎
此兵衛    中村翫雀


藤十郎さんは相変わらず元気ですね。きれいでした。



三、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
  「公平法問諍」(きんぴらほうもんあらそい)


幡随院長兵衛    市川團十郎
女房お時    中村時蔵
出尻清兵衛    中村翫雀
渡辺綱九郎    河原崎権十郎
極楽十三    市川男女蔵
雷重五郎    坂東亀三郎
神田弥吉    坂東亀寿
小仏小平    中村萬太郎
閻魔大助    尾上右近
坂田公平    片岡市蔵
御台柏の前    市川右之助
伊予守頼義    市村家橘
近藤登之助    坂東彦三郎
唐犬権兵衛    市川左團次
水野十郎左衛門    尾上菊五郎


最後に長兵衛が卑怯な形で殺されてしまうのでストーリー的にはあまり好きではないのですが、團十郎の長兵衛の大きさが素晴らしかった。その團十郎に対して水野が菊五郎、唐犬が左團次というのもバランスがよかった。市蔵の坂田公平が面白かった。


夜の部


一、倭仮名在原系図
  蘭平物狂(らんぺいものぐるい)
奴蘭平実は伴義雄    尾上松緑
女房おりく実は音人妻明石    尾上菊之助
水無瀬御前    中村梅枝
壬生与茂作実は大江音人    市川團蔵
在原行平    中村翫雀


松緑の蘭平は久しぶりに見ました。1999年の初役のときと、2002年の襲名のときに歌舞伎座で観ましたが、その後の大阪と博多は観てないので、9年ぶり。


とにかく立ち回りが迫力があって、スピード感があって堪能しました。1階席の花見横というとてもよい席で観劇したので、大梯子を下から見上げることになり、興奮しました。ちょっと前に三津五郎のも見ましたが、松緑は若いだけあって、梯子を登るときや屋根から灯篭に飛び降りるときの勢いが素晴らしい。番付によると、「五回目になりますが、いつも“これが最後”という思いで臨んでいます。」とのこと。そんなこと言わずに東京でも何度もやってほしいです。


立ち回りだけでなく、前半の物狂いのところも面白かったし、最後の繁蔵を探すところも愛情が感じられて、前に東京で見たときよりずいぶんと良くなっているように思いました。次にやるときは長男の大河くんが繁蔵でしょうか。楽しかったので、翌日幕見でもう一回見ました。新橋演舞場にも幕見席がほしいものです。



二、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
  浜松屋見世先の場
  稲瀬川勢揃いの場


 弁天小僧尾上菊之助   尾上菊五郎
 南郷力丸    市川左團次
 赤星十三郎    中村時蔵
 忠信利平    河原崎権十郎
 浜松屋伜宗之助  尾上右近
 鳶頭清次    市川團蔵
 浜松屋幸兵衛    坂東彦三郎
 日本駄右衛門    市川團十郎


何度も見てますが、何度見てもいいですね。
近くに座ってたおばさん達が、菊五郎近くで見ると年だけど遠くから見るときれいねーという会話をしてたので笑いました。


三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
小姓弥生/獅子の精  尾上菊之助


きれいでした。後半の獅子の精は以前見たときは細すぎて弱い感じがしたのですが、今回はそのときよりしっかりして安定感が出てきたなという感じがしました。
胡蝶が大人だったのが珍しかったです。
老女飛鳥井梅之助、局吉野菊三呂、胡蝶左字郎、松男、用人関口茂之助、家老渋井菊十郎という配役でした。