10/12 国立劇場 「京乱噂鉤爪(きょうをみだすうわさのかぎづめ)」

昨年に引き続き、江戸川乱歩の「人間豹」をもとにした乱歩歌舞伎第二弾。


去年のもなかなか面白かったので、期待して見に行きました。
全体的に、スーパー歌舞伎か、劇団新感線かと思うほど、エンタテイメント性があって、とても面白かったです。


席は2階席のやや上手寄りの2列目だったのですが、花道から斜めに張られたワイヤーがすぐ近くに!宙乗りがあるのは知ってましたが、筋交いの宙乗りとは事前に知らなかったので、開演前からテンション上がりました。


実際に舞台が進み、宙乗りになると、染五郎が手を伸ばせば届くんじゃないかと思えるぐらい、すぐ目の前を飛んでいって、かなりうれしかったです。


ほかにも回り舞台が回りながら、羅生門がせり上がってくるところなんかも、国立劇場の舞台装置を十分に生かした演出で、よかったです。


いつも殿様やいい人の役が多い印象の梅玉が悪役というのはどうなんだろうと思っていたのですが、陰陽師の神秘性と、サディスティックで倒錯的なところもあって冷徹なクールな悪役がぴったりでした。


梅丸と錦成の子役コンビもいい演技をしていて、将来が楽しみです。


明智小五郎とかのせりふが現代的でやや説教くさいのは幸四郎だから仕方がないのかなーという気がしました。


ただ、歌舞伎で最後にカーテンコールをやるのはやっぱりよくないなぁと改めて思いました。




市川染五郎=原案
岩豪友樹子=脚本
九代琴松=演出
国立劇場文芸課=補綴


京乱噂鉤爪(きょうをみだすうわさのかぎづめ)二幕十二場


― 人間豹の最期 ―
   

市川染五郎宙乗り相勤め申し候 


松本幸四郎明智小五郎
中村翫雀 :松吉実は鶴丸実次
市川高麗蔵 :女隠密綾乃
松本錦吾 :きはものや甲兵衛
澤村鐵之助 :甲兵衛女房お勝
中村歌江 :妙光尼
中村松江 :同心文次
市川染五郎 :娘大子、恩田乱学
中村梅玉 :陰陽師鏑木幻斎
中村梅丸 :花がたみ
松本錦成 :きはものや丁稚長吉