新橋演舞場 伊勢音頭

新橋演舞場の昼の部。


伊勢音頭の通しは初めて観ました。
筋書の上演記録によると東京では平成7年以来のよう。


この序幕が面白かった。前半があるおかげで、刀をめぐるストーリーがわかりやすくなってました。


この場の悪人杉山大蔵、桑原丈四郎の役で出ている新蔵と新十郎のコンビがコミカルでとてもよかったです。
最近この二人活躍してますね。ちょっと調べてみたら、先代の新蔵は9代目團十郎の弟子で10代目になると期待された人、先代の新十郎は9代目團十郎の弟子で「後見の神様」と呼ばれた人だそうで、両方ともいい名前なんですね。


獅童は活躍の場は多かったですが、やっぱりセリフが。。間の取り方とか台詞回しが歌舞伎っぽくないんです。


後半、いつも上演されている場面では、猿弥のお鹿がすごくよかった。滑稽な役ですが、無理に笑わせるんじゃなくて、実際に器量は悪いけど性格はよさそうな雰囲気で、万野にだまされてかわいそうと同情したくなりました。


上村吉弥の万野は嫌みったらしくてよかったですね。


全体的に、主役の海老蔵よりも周囲がよかった印象を受けました。


一、通し狂言 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
  序 幕 相の山の場
      妙見町宿屋の場
      追駈け地蔵前の場
      二見ヶ浦の場
  二幕目 油屋店先の場
      同 奥庭の場


<序幕>
福岡貢   市川海老蔵
今田万次郎 市川門之助
油屋お岸  澤村宗之助
藤浪左膳  市川右之助
奴林平   中村獅童


<二幕目>
福岡貢   市川海老蔵
今田万次郎 市川門之助
油屋お紺  市川笑三郎
油屋お岸  澤村宗之助
油屋お鹿  市川猿弥
仲居万野  上村吉弥
料理人喜助 片岡愛之助


二、義経千本桜 吉野山(よしのやま)
佐藤忠信実は源九郎狐 尾上松緑
逸見藤太       坂東亀三郎
静御前        尾上菊之助