国立劇場「江戸宵闇妖鉤爪」

先週ですが、国立劇場で観てきました。


江戸川乱歩の原作「人間豹」を歌舞伎にしたという作品。
もともと見る気はなかったのだけど、いろいろ評判を読んで興味がわいたので急遽行ってみました。思ったより楽しかったです。


面白かったところはいろいろあったのだけど、まず幕開きに照明を落として暗い中、太鼓の音を入れるのは、
暗い雰囲気をかもし出していてよかったです。新内が蕎麦屋のせりふをしゃべるのも不思議な印象を出してました。
人間豹のワイヤーを使った動きは新感線みたいな印象を受けました。


乱歩原作だから、明智小五郎が主役かと思ってましがが、どちらかというと明智小五郎は脇役で、
人間豹のほうが主役な感じでしたね。
ちょっと全体的にせりふが説明的で理屈っぽいのがよくないと思いましたが、歌舞伎初心者にはわかりやすくてよかったかも。


最後の大凧の宙乗りはとてもよかった。暗い印象の話なんだけど、この派手な最後のおかげで気分よく見終えることができました。


明智小五郎 松本幸四郎
恩田乱学/神谷芳之助 市川染五郎
商家の娘お甲/女役者お蘭/明智の女房お文 市川春猿
老婆百御前 澤村鉄之助
同心小林新八/蛇娘お玉 市川高麗蔵
目明し恒吉 松本錦吾