歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

2日に歌舞伎座夜の部に行ってきました。




顔見世ですが、地味なせいか、チケットが余ってるようです。
当日券で3階席も残ってました。顔見世なのに、大丈夫か松竹。
もう来年のさよなら公演に頭がいっぱいで、11月、12月は手を抜いているのでしょうか。
それとも金融危機の影響でお金がなくなって歌舞伎を見ようという人が減ったのかな?



さて、最初は寺子屋
仁左衛門のは、普通8人出てくる寺子が6人しか出ません。
あとは、首実検の場面で、「若君、菅秀才の首に相違ない。」という台詞で、
若君を言わないという違いもあります。

仁左衛門の松王丸はよかったけど、梅玉の源蔵がいまいちしっくりきませんでした。
なんとなく、子も同然の寺子を殺さなければならない苦悩とか、首実検の緊迫感を感じませんでした。



次は、船弁慶菊五郎平知盛の霊はなんとなく迫力が足りないなあと感じたのですが、
筋書のインタビューを読むと、「”動”の静御前、”静”の知盛と言われ」ているそうです。
逆だと思ってました。


義経富十郎が出ているのが舞台全体に安定感を与えている感じがしてさすがです。
それから舟長に芝翫が出ているのもいいです。ほんとにこの人若いなあと感じます。
舟子は東蔵歌六團蔵と充実。
逆に四天王は、松江はともかく、ほか三人は平成生まれの若手で四天王にしては頼りなさげ。
富十郎と弁慶の左團次が立派なだけに気になってしまいました。


最後は、3代目時蔵追善の嫗山姥。時蔵はじめ、みんななかなか良かった。



ちょっと気になったんだけど、この日、なんとなく全体的に拍手のタイミングがおかしかったんですよねぇ。
役者の出たり入ったりする時になかったり、見得でも遅れたり。お客が少なかったせいかな。

あと、お客様が選ぶ好きな歌舞伎20選というアンケートを取っていましたが、リクエスト演目がひとつしか書けないのはつらい。せめて、ベスト10とかにしてくれればいいのに。演目だけじゃなくて、やってほしい役者を書く欄もほしい。




一、菅原伝授手習鑑 寺子屋(てらこや)
  
松王丸    片岡仁左衛門
武部源蔵   中村梅玉
春藤玄蕃   市川段四郎
涎くり与太郎 中村松江
小太郎    中村玉太郎
菅秀才    片岡千之助
園生の前   片岡孝太郎
戸浪     中村魁春
千代     坂田藤十郎



二、新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)
静御前平知盛の霊  尾上菊五郎
武蔵坊弁慶      市川左團次
舟子岩作       中村東蔵
舟子浪蔵       中村歌六
舟子梶六       市川團蔵
亀井六郎       中村松江
片岡八郎       中村種太郎
伊勢三郎       中村萬太郎
駿河次郎       尾上右近
源義経        中村富十郎
舟長三保太夫     中村芝翫


三、三代目中村時蔵五十回忌追善狂言 八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)嫗山姥
八重桐    中村時蔵
腰元お歌   中村歌昇
白菊     片岡孝太郎
沢瀉姫    中村梅枝
太田十郎   中村錦之助
煙草屋源七実は坂田蔵人時行 中村梅玉