平成中村座

34年ぶりという2段目が見たくて、22日に平成中村座Cプログラムへ行ってきました。
中村座には初めて行きましたが、こじんまりした大きさで、靴を脱いであがるのがいい雰囲気ですね。


大序
口上人形が配役を発表して、ゆっくり幕が開く大序は、荘厳な感じがして好きです。
本来、四十七士にちなんで47回柝を打つのだけれど、歌舞伎座のような大きい劇場だとそれでは幕を全部開けるタイミングと合わないので、もっと多く打ってるのだそうです。中村座の大きさなら47回でやるのかなと思って数えてたんですが、47回ではありませんでした。残念。


2段目
原作どおりの上演は34年ぶりだという2段目。
予想より面白かったです。この場面のおかげで、3段目と9段目がとてもわかりやすかったです。


七之助の小浪はとてもきれいでした。新悟の力弥はすこし固い感じがしたけども初々しく、若いふたりのいいなずけの雰囲気がよく出てて、9段目への伏線としていい場面でした。
若狭之助が師直を斬るつもりなことを知って、馬に乗って駆け出す本蔵が立派でした。


3段目
勘太郎の判官、本蔵に後ろから止められ、師直を討てなかったところ、刀を投げた後、本当に悔しそうな無念さの現れた表情でよかった。


9段目
勘三郎さんの女形はあまり好きではないのですが、この戸無瀬は母親らしい優しい感じがよかったです。
小山三には客席わいてました。あの年齢であれだけ動けるのは驚異的。
仁左衛門さん、槍で突かれてからの苦しい状態での感情のこもった台詞がさすがでした。


改めて、刃傷を止めてしまった本蔵の一家の物語という視点で見ると、忠臣蔵というのは浪士だけでなく、ほかの人物もよく描けたストーリーなんだなあと感心しました。


浅草という場所でやるというだけでも、普段の観劇と違ってわくわくするし、いいですね。堪能しました。



大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
二段目 桃井館力弥上使の場
      同 松切りの場
三段目 足利館表門進物の場
      同 松の間刃傷の場
八段目 道行旅路の嫁入
九段目 山科閑居の場

加古川本蔵   片岡仁左衛門
大星由良之助/桃井若狭之助  中村橋之助
顔世御前/お石        片岡孝太郎
塩冶判官/大星力弥(九段目) 中村勘太郎
小浪             中村七之助
足利直義/大星力弥(二段目) 坂東新悟
高師直            坂東彌十郎
戸無瀬            中村勘三郎