5/3 明治座 五月花形歌舞伎 初日
明治座初日を通しで見ました。
まずは開場前に劇場前で朝9:45から染五郎、愛之助、勘九郎、七之助によるご挨拶がありました。
七之助が歌舞伎座より良心的な値段なので何度も見に来てくださいというようなコメントをしてたのが面白かったです。
一日を通じて一番楽しみにしていたのは初めて見る鯉つかみでしたが、これが思った以上に楽しかった。
ストーリーとしては何でもない芝居なのですが、宙乗り、本水での鯉との立ち回りが面白くて客席大興奮でした。
これは水がかかる前の方の席で見たかったです。鯉も大暴れで中に入っているのが誰かはわかりませんが、特別賞をあげたくなりました。
昼の部最初の実盛物語は勘九郎が颯爽としていてよかったです。
でも最近見た実盛の中では團十郎のが独特の味があって、太郎吉の扱い方を見て、いつかお孫さんと共演での実盛物語を見たいなあと思っていたので、それを思い出してちょっと寂しくなりました。
亀蔵の瀬尾が首を切られるときに、平馬返りではなかったようですが、前転っぽい動きで倒れたのがオッと思いました。
次が染五郎の切られ与三。久しぶりの赤間別荘は10年前に観たことがあります。ここが入っていると次の場面へのつながりがわかりやすい。
ただ、別に面白いという場面でもないのでいつも省略されちゃうのもわかります。
前の日に予習で11代目團十郎の与三郎を見たのは比較しちゃうから余計なことをしました。
染五郎、七之助は美男美女でとても美しかったです。
亀鶴の蝙蝠安はうまいですが、もっと下卑た感じとか小悪党の感じが強ければなあと思いました。
この人は何でもできちゃうけど、本当はもっとかっこいい主役級の役をできる機会があればいいのになあといつも思います。
将軍江戸を去るは、染五郎がパンフレットに書いている通り、30歳そこそこの年齢で大きな決断をしなければならなかった苦悩がよく出ていたように思います。
最後の場面のセリフは悩んで決めたその決断が間違いではないということを確信しているようにも聞こえました。
勘九郎の鉄太郎は熱演。セリフがはっきりしているので、慶喜に訴えようとしている内容がよくわかりました。
愛之助の伊勢守はひとりだけ新歌舞伎ではなく時代物のようなセリフと雰囲気でした。
七之助の藤娘は本当にきれいで、最初に照明がパッと明るくなった瞬間の場内の反応が大きかったです。
きれいすぎて、もっと可愛らしさが出たらいいのにと思いました。七之助もだいぶいろいろな大役を演じて大人な色っぽい女性の方が似合うようになってきたような気がします。芝翫の藤娘はかわいらしかったなあということを思い出したりしました。
昼の部
源平布引滝
一、実盛物語(さねもりものがたり)
斎藤別当実盛 中村勘九郎
小万 中村七之助
百姓九郎助 松本錦 吾
女房小よし 上村吉 弥
瀬尾十郎兼氏 片岡亀 蔵
御台葵御前 市川高麗蔵
二、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
序 幕 木更津海岸見染の場
二幕目 赤間別荘の場
三幕目 玄冶店妾宅の場
【見染・赤間別荘】
与三郎 市川染五郎
お富 中村七之助
海松杭の松五郎 坂東薪 車
赤間源左衛門 片岡亀 蔵
鳶頭金五郎 中村勘九郎
【玄冶店】
与三郎 市川染五郎
お富 中村七之助
蝙蝠安 中村亀 鶴
和泉屋多左衛門 片岡愛之助
夜の部
一、将軍江戸を去る(しょうぐんえどをさる)
徳川慶喜 市川染五郎
山岡鉄太郎 中村勘九郎
間宮金八郎 中村亀 鶴
土肥庄次郎 大谷廣太郎
吉崎角之助 坂東薪 車
天野八郎 市川男女蔵
高橋伊勢守 片岡愛之助
二、藤娘(ふじむすめ)
藤の精 中村七之助
湧昇水鯉滝
三、鯉つかみ(こいつかみ)
滝窓志賀之助実は鯉の精/滝窓志賀之助実は清若丸 片岡愛之助
釣家息女小桜姫 中村壱太郎
家老篠村次郎公光 坂東薪 車
篠村妻呉竹 上村吉 弥