1/2 新春浅草歌舞伎@浅草公会堂 初日

感想を書くのが遅くなってしまいましたが、今年の初観劇は浅草初日を通しで見ました。

早めに行って、9時半からの役者さんたちによる鏡開きも見てきました。
薪車、隼人、種之助、巳之助、亀鶴、愛之助亀治郎男女蔵歌昇、壱太郎、米吉、春猿、竹三郎と、人数が去年より多くて華やかな雰囲気でした。
亀治郎は挨拶で今年で浅草は卒業なので、若い後輩を応援して育ててくださいと言ってましたが来年は今回参加している若手が中心になるのでしょうか。
亀鶴はいまだに"鶴亀"と間違えられるとか、男女蔵はオメッティーが帰ってきましたよといった挨拶で笑いをさそっていました。


亀治郎のご挨拶のあと、昼の部最初は南総里見八犬伝。昨年の松竹座でも出ましたが、役者のお披露目用みたいだったのに対して、今回は蟇六内の場が入っていて、面白くなっています。
亀治郎の一役目の蟇六、老け役をやると見た目と声が段四郎に似てることに驚きました。最近、猿之助にそっくりだなとばかり思っていたのですが、こういう役もできるんですね。
竹三郎との夫婦役はとてもコミカル。亀治郎も楽しんでいるように見えました。
壱太郎と歌昇のカップルがきれいですごくよかった。
亀鶴の悪役はかっこよかった。この人は夜の部みたいな善人より色悪っぽい役の方がよいと思います。


円塚山の場のだんまりは、若いメンバーだけあってだんまりの面白さはそれほどでもありませんでしたが、フレッシュで将来が楽しみな楽しい一幕になりました。亀治郎二役目の犬山道節はなかなか立派ではありましたが、松竹座で海老蔵のを観てしまったので、比べるとちょっと弱いなという感じがしました。


二幕目の吉田屋は初日とあって、愛之助が愛嬌を出そうと頑張っているんだけど堅かった。後半にどうなっているかもう一度観たいと思いました。壱太郎はさすがに大夫の風格というまでの雰囲気はないものの、とてもきれいでした。


夜の部の天下茶屋は昨年幸四郎がやるのを見ましたが、途中寝てしまったので、しっかり見たのは今回が初めて。亀治郎が大活躍で、客席に降りて逃げる場面は一階のお客さんがうらやましかったです。

とても楽しい初芝居になりました。


新春浅草歌舞伎

第1部


お年玉〈年始ご挨拶〉 市川亀治郎


一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
  富山山中の場
  大塚村庄屋蟇六内の場
  円塚山の場

 庄屋蟇六/犬山道節  市川亀治郎
 金碗大輔/簸上宮六  市川男女蔵
 網干左母二郎  中村亀鶴
 犬塚信乃  中村歌昇
 犬村大角  坂東巳之助
 蟇六娘浜路  中村壱太郎
 犬田小文吾  中村種之助
 犬坂毛野  中村米吉
 犬江親兵衛  中村隼人
 下男額蔵実は犬川荘助  坂東薪車
 伏姫  市川春猿
 蟇六女房亀篠  坂東竹三郎
 犬飼現八  片岡愛之助


二、夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう)
  吉田屋

藤屋伊左衛門  片岡愛之助
扇屋夕霧  中村壱太郎
吉田屋女房おきさ  市川春猿
吉田屋喜左衛門  坂東竹三郎



第2部


お年玉〈年始ご挨拶〉 片岡愛之助


猿之助四十八撰の内
通し狂言 敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)
  序幕 四天王寺の場より
  大詰 天下茶屋村敵討本懐の場まで

安達元右衛門/片岡造酒頭  市川亀治郎
安達弥助  市川男女蔵
早瀬源次郎  坂東巳之助
源次郎許嫁葉末  中村壱太郎
人形屋幸右衛門  坂東薪車
伊織妻染の井  市川春猿
早瀬伊織  中村亀鶴
東間三郎右衛門  片岡愛之助