12/3 国立劇場 元禄忠臣蔵 初日

国立劇場で元禄忠臣蔵を観てきました。実は元禄忠臣蔵って苦手でいつもけっこう寝てしまうのですが、今回は面白くて寝ずに楽しめました。役者さん達も、吉右衛門梅玉歌六又五郎など声、セリフのいい人がそろっていて、セリフ劇の面白さが際立っていた気がします。台本も買ってしまいました。


国立劇場開場45周年記念


  真山青果=作
  真山美保=演出
  元禄忠臣蔵(げんろくちゅうしんぐら) 五幕十二場
            伊藤熹朔=美術
            中嶋八郎=美術


   《江戸城の刃傷》
     第一幕  江戸城内松の御廊下
     第二幕  田村右京太夫屋敷大書院
            同  小書院


浅野内匠頭 中村梅玉
戸沢下野守 中村松江
御座敷番平川録太郎 澤村宗之助
梶川与惣兵衛 嵐橘三郎
多門伝八郎 中村歌六
庄田下総守 大谷桂三
片岡源五右衛門 中村歌昇
田村右京太夫 中村東蔵


梅玉の内匠頭がとてもよかった。使者と対峙する様子や最後の庭先を見る表情も、みんなから慕われる大名の風情が漂っていました。
歌六も颯爽としてよかった。こういう台詞劇だと歌六のセリフの良さが活きてきますね。上野介の傷の様子を内匠頭に伝えるところも情があってよかった。
歌昇の源五右衛門は若々しく一途で、内匠頭と交わす目線の熱さが感じられました。



   《御浜御殿綱豊卿》
     第一幕  御浜御殿松の茶屋
     第二幕  御浜御殿綱豊卿御座の間
            同  入側お廊下
            同  元の御座の間
            同  御能舞台の背面


徳川豊綱卿 中村吉右衛門
中蟖お喜世 中村芝雀
上蟖浦尾 中村歌江
中蟖お古宇 中村米吉
伊勢詣おいぬ某 中村玉太郎
御右筆江島 中村魁春
富森助右衛門 中村又五郎
新井勘解由 中村梅玉


初日ということで心配していた吉右衛門のセリフもそれほど詰まることなく、聞かせどころでは朗々としたセリフ回しで感動しました。
吉右衛門又五郎の丁々発止の緊迫したセリフのやりとりも素晴らしかった。


   《大石最後の一日》
            細川屋敷下の間
            同  詰番詰所
            同  大書院
            同  元の詰番詰所


大石内蔵助 中村吉右衛門
おみの 中村芝雀
磯貝十郎左右衛門 中村錦之助
片岡源五右衛門 中村歌昇
近松勘六 澤村宗之助
赤埴源蔵 中村吉之助
吉田忠左衛門 中村吉五郎
医師原田玄沢 嵐橘三郎
細川内記 中村鷹之資
細川家家来高坂甚五郎 中村種之助
久永内記 大谷桂三
細川家家来村井源兵衛 澤村由次郎
堀内伝右衛門 中村歌六
荒木十左衛門 中村東蔵


鷹之資に天王寺屋!の大向こうがかかっていました。久しぶりにこの屋号が聞けたのが嬉しかった。
吉右衛門は最後に花道を去っていく大石内蔵助の表情が何ともよかった。
芝雀のおみのも健気でした。
もう一回見たいです。

そういえば、この日どこかの大学の観劇教室か何かだったみたいで、女子大生がたくさんいましたが、初めての歌舞伎観劇が元禄忠臣蔵っていうのは重すぎじゃなかっただろうか。