土曜日に末広亭夜の部に行ってきました。10年続いてきた10月の馬桜師匠のトリは今年で最後だそうです。
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落語の鈴々舎馬桜が10月、東京・新宿の末広亭で下席夜の部のトリをつとめる。演目を毎日変え、鳴り物いりの10席に挑戦する。
馬桜は10年連続で末広亭10月下席の夜のトリをとってきた。落語協会と落語芸術協会が交代で出演する同館では、夜のトリは落語協会では年に18人しかとれない。「それを私は、気がつけば今年で10年も続けてた。まだトリをとっていない中堅の人気者がたくさんいると聞いたので、今年で卒業させてもらうつもりです」という。
最後にするなら何か面白い趣向をと、笛や三味線の入る演目ばかりを選んだ。「貧乏神」「冥土の雪」「猫の忠信」「宿屋の仇討(あだう)ち」「木乃伊(みいら)取り」「あたま山」「掛取万歳」「二階ぞめき」「雪の子別れ」「たちきり」の10席だ。
前座が短くして演じることの多い噺(はなし)もあるが、馬桜はいずれもフルに30分で演じるつもりだ。「猫の忠信」は笛の名手春風亭一朝に笛を頼んだ。「貧乏神」は三代目柳家小さんの速記本から起こした。最近はめったに演じられることがない「冥土の雪」も、四代目橘家円喬の速記本から起こして演じる。
この10年間、トリをつとめる時は一日も休んでいないのが自慢だ。馬桜は「落語界の衣笠と呼んで下さい」と笑う。ホール落語が全盛の昨今に、落語家の原点である寄席を大事にしてきたという自負もあるようだ。(篠崎弘)
前座 古今亭半輔 「初天神」
鈴々舎馬るこ 老夫婦でやってる温泉旅館の話
鯉川のぼる 「声帯模写 鶴田浩二、田中邦衛、萬屋錦之助、丹波哲郎など」
古今亭菊丸 「時そば」 そばが食べたくなりました。
柳家獅堂 漫談
大空遊平かほり 漫才
古今亭菊輔 「寿限無」
三遊亭歌司 漫談
桂藤兵衛 「まんじゅう怖い」の前半の狐にばかされるところ。以前鈴本でも一回聞いたことがあります。
金原亭伯楽 「猫の皿」 自分の小説の宣伝もしてました。中入りではご本人が売店で売っていました。
中入り
柳亭燕路 「出来心」
美智 奇術
隅田川馬石 「安兵衛狐」ちょっと違った形の「野ざらし」かと思って聞いていたら、違いました。骨に酒をかけたら女の幽霊が来るところは野ざらしと同じ感じなのが、二人目が狐を助けて狐が女になって家に来るという噺。帰ってから調べたら安兵衛狐というらしいです。
仙三郎社中 「太神楽」
鈴々舎馬桜 「冥土の雪」
互いに一目ぼれした男女が恋煩いで死んでしまって冥土で夫婦になる。いろいろあって生き返る噺。
三途の川を渡るところで船頭さんが歌を歌って鳴りものが入りました。
閻魔大王の前にやってくる死者のひとりに中村芝翫が入っているというのが芝居好きの馬桜師匠らしかった。
来月の極楽座では、六代目歌右衛門と芝翫の二人道成寺が上演されるとか、初代から11代目までの團十郎が総出演で忠臣蔵の通しが上演されるとか、落語では円朝が怪談牡丹灯籠の通しをやるとか、余一会では志ん生、志ん朝、馬生の親子会が開かれるとか、なかなか聞いてて楽しかったです。
オチがわかりづらいということで、最初にちょっと説明をしてくれたのですが、まあわからなかったとしても途中を楽しむことができるのでいいんじゃないでしょうか。