歌舞伎座昼「高時、道成寺、佐倉義民伝」
歌舞伎座の昼の部に行ってきました。
一、新歌舞伎十八番の内 高時(たかとき)
明治時代の九代目団十郎が、歌舞伎は荒唐無稽だと言われるのに対抗して史実になるべく忠実に作った「活歴」のひとつ。上中下に分かれていたのが、中と下はつまらないので高時だけが演じられるようになったそうです。
初めて見ましたが、高時も話の筋としては特に面白いものではないです。
自分の愛犬を殺した浪人を死刑にするという徳川綱吉みたいな鎌倉幕府執権の北条高時が、からす天狗にばかされるというだけの筋。
最初の2匹の烏天狗の登場の仕方が、しかけにつかまって左右からすーっと空中を飛んでくるような感じだったのと、烏天狗のぴょんぴょん飛び跳ねる動きが普通の歌舞伎らしくなくて面白かった。
高時がばかされるときは、高々と持ち上げられたり、頭を下にして逆さまに吊り下げられたり、けられて転がされたり、こんな動きをさせられる歌舞伎の主人公はほかにいないんじゃないでしょうか。
そんなに何回も見たいものではないけど、なかなか面白かった。
北条高時 中村梅玉
衣笠 中村魁春
安達三郎 中村松江
渚 中村歌女之丞
長崎次郎 松本錦吾
大佛陸奥守 中村東蔵
秋田入道 坂東彦三郎
二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)
鐘供養の場
ほとんど立役専門の三津五郎がやる道成寺。ふだん見る道成寺とはいろいろ違っていておもしろかった。
三津五郎がかわいくみえました。
白拍子花子 坂東三津五郎
所化 坂東秀調
同 市川右之助
同 市川高麗蔵
同 片岡市蔵
同 中村松江
同 市川男女蔵
同 澤村宗之助
同 坂東巳之助
三、東山桜荘子 佐倉義民伝(さくらぎみんでん)
これもはじめて見ました。暴政に苦しむ農民のために将軍に直訴した佐倉宗吾の物語。
今は宗吾霊堂へ神様として祀られているそうです。
歌舞伎座2階ロビーに祀られてましたのでお賽銭を入れてきました。
宗吾と家族の別れの場面は子役の子がいい感じで、涙ぐむ場面になってました。
いい話ではあるんだけど、最後お縄にかかって幕というのはあまりすっきりはしないですね。
今年の歌舞伎観劇はこれでおわりです。
木内宗吾 松本幸四郎
幻の長吉 坂東三津五郎
徳川家綱 市川染五郎
松平伊豆守 坂東彌十郎
おさん 中村福助
渡し守甚兵衛 市川段四郎