ちはやふる 上の句・下の句

上の句と下の句を観ました。


爽やかな青春スポーツ映画といった感じで面白かったです。
実は広瀬すずがあまり好きではなく、キャストが発表された時には、原作と違いすぎるだろという思いがありましたが、実際見てみると、原作と違うのは仕方ないにしても広瀬すずなりの主人公になっていました。


逆に原作のイメージをうまく出していたなと思ったのは、松岡茉優。かるたに対するクールな姿勢とクイーンとしての圧倒的存在感、それでいてキャラクターグッズを見たときに発する素っ頓狂な声など、うまく表現していてよかったです。


あとは、肉まんくんが太ってないけど、表情とか雰囲気に原作に近いものがあってよかったです。
続編の制作も決定しているということで、楽しみです。


綾瀬千早:広瀬すず
真島太一:野村周平
綿谷新:真剣佑
若宮詩暢:松岡茉優
駒野勉:森永悠希
大江奏:上白石萌音
西田優征:矢本悠馬
原田秀雄:國村隼

http://chihayafuru-movie.com/

團菊祭五月大歌舞伎@歌舞伎座 昼の部・夜の部

歌舞伎座團菊祭の昼の部と夜の部を観ました。


鵺退治は50年以上ぶりという珍しい演目。
30分程度の短いものだし、鵺を退治するというだけの大したことのない演目ですが、梅玉がよかった。
梅玉は烏帽子姿がよく似合う。鵺がきぐるみなのがちょっと愛嬌があっておかしかったです。


寺子屋松緑の源蔵が最初の出から緊張感があって、それが途切れないのがよかった。
海老蔵の松王丸も思ったよりは良かった。ただ、最初は病人っぽすぎて、もっと大きくてもいいのではないかと思いました。
首実検で源蔵に刀をつきつける成田屋型は、月の前半に観た時は、玄蕃と源蔵ともイキが合ってなくて、刀を抜いただけに見えてしまっていましたが、後半に再度観た際は、玄蕃の方を一瞬意識してから、源蔵に刀を返すようにしていて、良くなっていました。ただ、もう少し源蔵の方にも意識を払う工夫がほしいと思いました。


十六夜清心は、時蔵が非常にきれいでしっとりとした良さが出ていました。
菊之助の清心は、いまひとつニンではないのが出てしまっていてあまり良くなかったかと思います。


昼の部最後が、楼門。浅葱幕が落ちて吉右衛門が見えた瞬間、大きくておおーっと思ってしまいました。
普段はお弟子さんや若手がやるような右忠太、左忠太も又五郎錦之助という豪華さ。
菊五郎も若々しくさわやかで、短い演目ながら、大歌舞伎の醍醐味を堪能した気分でした。


夜の部は何といっても、菊之助長男、和史くんのお披露目。
花道は菊之助に抱かれて出てきて、本舞台では扇子を投げる、ご挨拶をと言われると顔を両手で隠す、最後の手締めは一緒に参加する、幕が締まるときには手を振ると、とにかく可愛らしかったです。将来が楽しみ。


三人吉三は、海老蔵菊之助松緑の揃った舞台で華やか。


時今也桔梗旗揚は松緑が非常に素晴らしかった。馬盥でのひたすら屈辱に耐えて、春永がいなくなってからのじーっとうつむいたままの様子、梅枝が引っ込んでからはあの大きな歌舞伎座をひとりで持たせる緊張感、花道に至っての決意の表情、どれも素晴らしかった。ここでの徹底した我慢があったから、最後の上使を斬って、三方を踏み割り、刀を担いでの大見得、高らかな笑いが良かったです。幕が締まってからも笑い声が響いていました。團蔵の春永が非常によかった。吉右衛門の光秀だと、富十郎だろうが、歌六だろうが、春永より光秀の方が大きく見えてしまうけれど、團蔵松緑なので、上下関係がうまく表現されていて、話の骨子が明確になったと思う。


最後は、海老蔵菊之助の男女道成寺。ふたりともきれいで、最後を締めるのにふさわしい華やかな踊りでした。
所化で福太郎くん、福之助くんが頑張ってたのもよかったです。


昼の部

福地桜痴
今井豊茂 補綴
一、鵺退治(ぬえたいじ)


源頼政  中村梅玉
猪の早太 中村又五郎
巫女梓  中村歌女之丞
九条関白 中村錦之助
菖蒲の前 中村魁春


菅原伝授手習鑑
二、寺子屋(てらこや)

松王丸    市川海老蔵
千代     尾上菊之助
戸浪     中村梅枝
涎くり与太郎 大谷廣松
春藤玄蕃   片岡市蔵
百姓吾作   市村家橘
園生の前   市川右之助
武部源蔵   尾上松緑


河竹黙阿弥
花街模様薊色縫
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
浄瑠璃「梅柳中宵月」

清心   尾上菊之助
十六夜  中村時蔵
恋塚求女 尾上松也
船頭三次 坂東亀三郎
俳諧師白蓮実は大寺正兵衛 市川左團次



四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

石川五右衛門 中村吉右衛門
右忠太    中村又五郎
左忠太    中村錦之助
真柴久吉   尾上菊五郎



夜の部

一、勢獅子音羽花籠(きおいじしおとわのはなかご)
寺嶋和史 初お目見得

鳶頭 尾上菊五郎
鳶頭 中村吉右衛門

尾上菊之助
初お目見得
寺嶋和史
菊之助長男)

鳶頭 尾上松緑
鳶頭 市川海老蔵
鳶頭 市川團蔵
茶屋女房 市村萬次郎
茶屋女房 坂東秀調
鳶頭 河原崎権十郎
鳶の者 坂東亀三郎
鳶の者 坂東亀寿
鳶の者 尾上松也
芸者 中村梅枝
鳶の者 中村萬太郎
鳶の者 坂東巳之助
芸者 尾上右近
芸者 中村種之助
鳶頭 中村錦之助
鳶頭 中村又五郎
芸者 中村雀右衛門
芸者 中村時蔵
芸者 中村魁春
世話人 坂東彦三郎
世話人 市川左團次
鳶頭 中村梅玉



河竹黙阿弥
二、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)

大川端庚申塚の場


お嬢吉三  尾上菊之助
お坊吉三  市川海老蔵
夜鷹おとせ 尾上右近
和尚吉三  尾上松緑



鶴屋南北
三、時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)
本能寺馬盥の場
愛宕山連歌の場


武智光秀   尾上松緑
小田春永   市川團蔵
四王天但馬守 坂東亀寿
桔梗     中村梅枝
森蘭丸    中村萬太郎
森力丸    坂東巳之助
連歌師丈巴  市村橘太郎
園生の局   市川笑也
矢代條介   市川男女蔵
安田作兵衛  中村松江
皐月     中村時蔵



四、男女道成寺(めおとどうじょうじ)

白拍子桜子実は狂言師左近 市川海老蔵
所化 市川男女蔵
所化 市川九團次
所化 中村萬太郎
所化 坂東巳之助
所化 市村竹松
所化 尾上右近
所化 中村種之助
所化 大谷廣松
所化 市村橘太郎
白拍子花子 尾上菊之助



http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/480

5/21 五月文楽公演@国立劇場「絵本太功記」

5/21(日)に文楽の絵本太功記を観ました。


歌舞伎の絵本太功記の尼ヶ崎は動きが非常に少なく、眠くなってしまう苦手な演目なのですが、文楽で本能寺から妙心寺、夕顔棚、尼ヶ崎と通しで見ると話の流れがよくわかり、歌舞伎だと唐突に出てくる巡礼に化けた久吉が来る場面もわかるので、非常に面白かったです。


歌舞伎では橋之助国立劇場で通してやったのを観たことがあるのを思い出しました。


歌舞伎だと光秀が中央に座ったままほとんど動かないのに対して、文楽ではけっこう動きがあるのも違うところでした。


文字久太夫は熱演でしたが、もう少し迫力がほしいという感じもしました。


あと、字幕が今までは左右に縦書きのがあったのが、国立文楽劇場と同じように舞台の上部に横書きで出るように変わってました。今までより長い文章が表示できるので良いと思いました。


http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2016/4970.html

前進座「東海道四谷怪談」@国立劇場

国立劇場前進座東海道四谷怪談を観ました。


4時間を超える長時間でしたが、あまり長さを感じない面白さでした。
普段めったに上演されない、三角屋敷と夢の場も含む上演。やはりこの場を含む第四幕からが非常に面白かった。
三角屋敷が上演されるので、直助の人物像がはっきりわかり、ストーリーに厚みが出た感じがします。
直助役の藤川矢之輔が、ねっとりとしていて、滑稽さもある直助を非常にうまく演じていました。
浅草裏田圃の場や三角屋敷の場で菊之丞のすっきりとした与茂七と並んで見得をすると対比で非常に面白い絵面になっていました。


お岩の提灯抜けは夢の場で。いつもの蛇山庵室でのと違うので、ちょっと驚きました。
國太郎のお岩はわりとさらりと演じていたように感じました。


伊右衛門の芳三郎はニンではないのでもの足りない部分はありましたが、すっきりと悪を演じていました。
久しぶりで前進座に出る菊之丞は舞台に厚みを出していました。


瀬川菊之丞の最初の花道からの出に、「濱村屋!」のほかに、「路考!」、「お久しぶり!」という掛け声がかかりました。
前進座に出るのは七年ぶりだそうで、せっかくだから、今後もちょくちょく出てほしいです。
退座した菊之丞が久しぶりに出たとなると、梅雀が出るのも観てみたいなという気がしました。


ちなみに、お久しぶり!の大向うをかけた人は、宅悦の引っ込みにご苦労様!、茶屋女おもんで花道の國太郎に、おじいさんそっくり!ともかけてました。チャリではあるけど、愛情が感じられて、悪くはなかった。


三角屋敷、夢の場に染五郎がこの前やった小汐田又之丞のくだりも加えた完全版を観てみたいと感じました。長くなるけど、国立劇場ならできるんじゃないでしょうか。


第一幕
第一場 浅草観世音境内の場
第二場 宅悦住居の場
第三場 浅草裏田圃の場

第二幕
第一場 伊右衛門浪宅の場
第二場 伊藤喜兵衛内の場
第三場 伊右衛門浪宅の場

第三幕
砂村隠亡掘の場

第四幕
第一場 深川三角屋敷の場
第二場 同 返し
第三場 夢から蛇山庵室の場

http://www.zenshinza.com/stage_guide3/2016kokuritu/index.html

お岩/小仏小平/茶屋女おもん/小平女房お花  河原崎國太郎
民谷伊右衛門 嵐芳三郎
直助権兵衛  藤川矢之輔
お袖    忠村臣弥
佐藤与茂七  瀬川菊之丞

5/8 宝塚雪組公演「るろうに剣心」

5/8(日)千穐楽の11時に宝塚のるろうに剣心を観てきました。
宝塚を観たのは初めて。ワンピース歌舞伎で歌舞伎を初めて観た人と同じように、演目がるろうに剣心だから観てみたいということがきっかけでした。


初めて宝塚を観た感想としては、歌も殺陣も非常にかっこよくて面白く、はまる人がいるのもわかるなあと思いました。
原作にいない加納惣三郎というキャラがいるのに、全体的に原作の雰囲気をまったく壊しておらず、るろうに剣心の世界観がとても良く表現されていることに感心して、原作を読みなおしてみたくなりました。


冒頭の過去の人切り抜刀斎のころの剣心が、見事な立ち回りをして刀を振るうと、竹が斬られて倒れるという最初の演出からぐいっと引き込まれました。
どうしても最初のうちは歌舞伎と比べて観てしまったのですが、歌舞伎の立ち回りとは違ったスピード感、それでいて美しい動きだなあと感じました。


魁道中のところや、後半のプチ・ガルニエでのダンスなど、主要な演者以外も華やかでさすが。


登場人物では、剣心はもちろん、加納惣三郎や四乃森蒼紫、斎藤一もすらりとした長身でかっこよかったです。
特に斎藤一の煙草を吸うしぐさや剣を構える姿勢が非常にかっこよかったし、歌の中で悪・即・斬と出てくるのも斎藤一らしさが出ていました。
四乃森蒼紫は、二刀流の殺陣が華麗で、稽古が大変だっただろうなと思いました。


左之助は、斬馬刀が本当に原作の通りの大きさで、おおっと思って嬉しかったです。
赤べこでの剣心と左之助の殺陣は、市川猿四郎さんがつけた歌舞伎風で、弥彦が附け打ちもして、なかなかよかった。
ツイッターで以前見たのですが、大向うが入った日があったとか。掛け声は禁止なので、その日だけだったようですが、かけたくなるのはわかる気がしました。


弥彦は少年らしく元気にはずむような雰囲気がぴったりでした。薫も雰囲気がぴったり。


剣心は「薫殿の甘い戯言のほうが好きでござるよ。」の名ゼリフやおろーも入っていて原作を思い出して嬉しくなりました。


最後のフィナーレはこれぞ宝塚だなあという雰囲気で華やかでとてもよかったです。
また宝塚の別の演目も観てみたいなと思いました。


https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2016/rurouni/



緋村剣心  早霧せいな
加納惣三郎 望海風斗
神谷薫   咲妃みゆ
斎藤一   彩風咲奈
相楽左之助 鳳翔大
四乃森蒼紫 月城かなと
高荷恵   大湖せしる
明神弥彦  彩みちる
武田観柳  彩凪翔


超歌舞伎の歌舞伎演出のちょっとした解説的な振り返り

超歌舞伎は映像が使われて初音ミクと共演するところや両脇の画面に生放送のコメントが流れるところが斬新でしたが、ほとんどが歌舞伎の義経千本桜の狐忠信の場面を中心に、歌舞伎好きにはおなじみのオーソドックスな歌舞伎の手法が使われていましたので、ちょっと振り返ってみます。


最初は中村獅童の口上。幕開きはチョーンという柝の音から片しゃぎりという口上の前に流れる鳴り物で始まります。片しゃぎりは口上のほかには、能狂言を元にした松羽目物というジャンルの演目の場合にも使われます。


 とーざいー、とざい、とーざいーの東西声獅童が顔を上げます。口上以外で東西声がかかるお芝居としては仮名手本忠臣蔵が有名です。


口上でキャラクター設定と筋を説明するのは、今回、歌舞伎になじみがない人にもわかりやすいように説明を加えたのだと思いますが、歌舞伎の中でも伊達の十役という芝居では冒頭の口上で、パネルを使って登場人物とあらすじを説明するというのがあります。


初音ミクの登場はセリから上がってくるような映像で歌舞伎っぽかったですね。
隅から隅までずいーとーと、こい願い上げ奉ります―の間で一拍間が開くところで大向うが入るのが定番ですが、初音屋!と入れた人がいました。

 
映像をはさんで、黒衣が狐のぬいぐるみを操るのは、もともとは文楽から来ていますが、今年の1月には国立劇場で上演された「通し狂言 小春穏沖津白浪―小狐礼三―」では尾上菊之助が冒頭に狐のぬいぐるみを操る場面を見せました。


狐が引っ込むと入れ替わって中村獅童佐藤忠信の登場。この場の扮装は義経千本桜の道行の場の衣装。
佐藤忠信が持つ鼓は、義経千本桜の中では初音の鼓という、狐忠信の両親の皮で作られた鼓。


後見(黒衣)が蝶々を差し金で操るのも歌舞伎ならでは。今月歌舞伎座で上演されている楼門五三桐では鷹を黒衣が飛ばしています。


「千年前の様子、物語らん」と言って、回想シーンの映像に移りますが、歌舞伎の場合だと、文字通り、過去の出来事を義太夫の語りに合わせて役者が物語る場面のセリフ術と動きがひとつの見せ場になっています。


ミク姫との踊りの後、青龍の分身が登場し、忠信の衣装が一瞬で変わります。ぶっかえりという技法で、登場人物の本性が現れたことを表します。
この衣装は四の切の場をベースにしています。指先を丸めているのは狐手といって、狐であることを表しています。花道を引っ込むときは、狐六方。


そして、澤村國矢の青龍が登場。青い隈取をしていますが、歌舞伎では青や茶色の隈取りは悪人、赤は善のヒーローと決まっています。
ミクと青龍の、さあ、さあ、さあ、さあ、さあ、返事は何とー、という掛け合いは、問答で相手を追い詰めるときの歌舞伎の定番のセリフです。


その後、「待ーて、待ちやがれぇ」と声がかかって獅童が出てくるのは、押戻しなど正義の味方が花道から出てくるときの定番のセリフ。


花道で獅童と國矢が鳴り物といよー、いよーという声にあわせて、顔を左右に振って見得をするのは五つ頭といいます。
ここでの、獅童の忠信は鳥居前の場をベースにした衣装の拵え。持っている鎧は、義経千本桜では義経から賜ったものですが、この場では後ですぐ片付けちゃうので、見栄え良くするために持っているだけかな。


ニコニコユーザーのコメントを得て、力いや増す上からは」と口上が入りますが、実際の歌舞伎でも暫の口上などで、「ご贔屓の皆さまのお力を得て」みたいなセリフが入ることがあります。


青龍の分身が槍を逆上がりして、それを獅童が下から手を上げて持ち上げるような形を見せるのは鳥居前などで使われる見得のひとつです。
梯子に登って見得をするのは蘭平物狂の立ち回りから。


國矢の青龍が毛振りで獅童を攻撃するのは、紅葉狩の鬼女などでも観られます。


最後に観客が総立ちになるのは、ワンピース歌舞伎の中でもありましたが、あれほどの盛り上がりになったのは、今回の超歌舞伎ならではですね。
改めて振り返ると、歌舞伎のオーソドックスな見せ場を盛り込みつつ、映像とのコラボがとてもうまくいっていたと思います。

4/30 超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」@ニコニコ超会議in幕張メッセ

ニコニコ超会議の超歌舞伎を観てきましたー!


本当は行く予定はなかったんですが、前日の動画を見て、想像以上の面白さと盛り上がりぶりにいてもたってもいられなくなって、急遽行くことにしました。



行って本当に良かったです!1時の回と3時の回、両方観ましたが、とにかく、現地の盛り上がりが凄くて、会場が一体となって、熱かったです。
歌舞伎を観たことがない人も多い中、最後のカーテンコールでは全員スタンディングで、サイリウムも振られて、まるでライブのようでした。
特に、最後の回では、3回カーテンコールがあって、獅童や青龍の分身の人たちが客席に降りてきて煽ったり、國矢は毛振りで盛り上げたり、凄い熱気でした。



映し出される初音ミクの着物での動きが自然で、映像と役者との演技もうまくいってました。
初音ミクKAITOだけでなく、青龍と白狐のアニメーションも見事で、日本の最新技術と古典の非常にいいコラボになっていたと思います。



そして、獅童の狐六方や立ち回り、蘭平物狂のような梯子の見得もあって、歌舞伎の荒事のいいとこどりといった感じで、歌舞伎を知らない人にも大いに歌舞伎の面白さ、凄さをアピールできたんじゃないかと思います。



國矢も大役を見事に勤め上げ、紀伊国屋の大向うもたくさんかかっていたし、コメントもたくさん流れていました。



正直、この企画の話を最初に聞いたときは、何だこれ?という程度にしか思っていなかったのですが、予想を大きく上回る素晴らしいものになり、歌舞伎の底力を見たような気がしました。きっと、江戸時代の人もこんな感じで歌舞伎に熱狂してたんだろうなと思いました。それと、あのあおり方を見て、主役を獅童にした人選は大当たりだったなと思います。他の役者ではああいうふうにはいかなかったのではないでしょうか。



ぜひとも来年もやってほしいです。




http://chokabuki.jp/



佐藤四郎兵衛忠信/白狐 … 中村獅童
初音未來/美玖姫 … 初音ミク
青龍の精 … 澤村國矢
逭音海斗 … KAITO



演出・振付 … 藤間勘十郎
脚本 … 松岡亮
テクニカル演出 … 山形龍司
音楽 … 苫舟
音楽 … 大和櫻笙
所作指導 … 中村蝶紫
立師 … 中村獅一
総合プロデューサー … 横澤大輔