4/22 末広亭 六人の深夜

夜の部が終わった後、真打が近い6人による深夜寄席

三木男「お菊の皿

駒次「終着駅のエトランジェ」

さん若「徳ちゃん」

こみち「蛇含草」

駒次が面白かった。真打も近いということもあって、皆それぞれそれなりにうまいけど、三木男は少し劣る感じがしました。

4/17 歌舞伎座 夜の部

4/17(日)に歌舞伎座夜の部を観ました。


歌舞伎座で杉坂墓所が出たのはかなり久しぶりとのこと。
私は大阪で仁左衛門が通しで出したときに見て以来でした。
やはりここがあると、毛谷村の話がわかりやすくて良いと思います。
お幸の入り込みもあるので、省略された毛谷村の場合のような唐突に現れて誰だかわからないということもありません。
仁左衛門の六助はおおらかで優しそうなところが非常に良いと思いました。
歌六の微塵弾正が悪役らしく、鋭い味を出していました。


次が新作の幻想神空海ツイッターなんかで、賛否両論の感想があって、しかも原作を読んでなかったので大丈夫かなあと心配でしたが、面白かったです。
舞台の雰囲気や空海橘逸勢のコンビが主人公というより狂言回し的な雰囲気なのが陰陽師に似てました。
もちろん、新作ならではのセリフの多さによる冗長感や、長い原作をまとめたためのもの足りない感じはありましたが、各役者の見せ場があったのと、陰陽師と違って、雀右衛門歌六又五郎幸四郎などベテランがしっかりと場を締めていたのがよかったと思います。


最初に出てくる雀右衛門楊貴妃の踊りが幻想的で最初から引き込まれました。
染五郎と松也は仲のいいコンビの雰囲気がよかったです。セリフの中で、松也が週刊誌に騒がれたことをネタに、お前も苦労したからなあみたいなセリフがあって場内爆笑してました。
米吉がすっきりときれいで、中国風のメイクのせいか、最初だれだか分りませんでした。あまり女形をやらない種之助と、物語の発端となる宗之助も最初誰だろうと思いました。
化け猫を演じた児太郎が妖しい雰囲気を出していて好演。


途中、丹翁と楊貴妃の過去を竹本で語る部分で、芝のぶ、京蔵、京紫が目立つ活躍していたのが嬉しかったです。


そして、何といっても、実質的な主役ともいえる歌六がとてもよかった。老人の声と、朗々とした張る声を使い分けて、丹翁の悲恋をイキイキと描いていました。
最後に出てくる皇帝役の幸四郎も重厚感がありました。



一、彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち
杉坂墓所
毛谷村


毛谷村六助 片岡仁左衛門
お園    片岡孝太郎
杣斧右衛門 坂東彌十郎
微塵弾正実は京極内匠 中村歌六
お幸    中村東蔵



高野山開創一二〇〇年記念
夢枕 獏 原作
戸部和久 脚本
齋藤雅文 演出
新作歌舞伎
二、幻想神空海(げんそうしんくうかい)
沙門空海唐の国にて鬼と宴す


空海    市川染五郎
橘逸勢   尾上松也
白龍    中村又五郎
黄鶴    坂東彌十郎
楽天   中村歌昇
廷臣馬之幕 大谷廣太郎
牡丹    中村種之助
玉蓮    中村米吉
春琴    中村児太郎
劉雲樵   澤村宗之助
楊貴妃   中村雀右衛門
丹翁    中村歌六
憲宗皇帝  松本幸四郎



http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/

4/16 明治座 四月花形歌舞伎

明治座を昼夜で観ました。


昼の部は、末広がりがとても面白かった。勘三郎さんが勘九郎時代に自主公演でやって以来、本公演では初めてだそうですが、松羽目物の定番として他の役者さんがやってもよさそうだと思いました。
勘九郎の傘を持っての踊りが軽やかで、最後の鞠を傘の上で回す寄席の太神楽のような動きもうまくて楽しかったです。
国生の声がちょっと橋之助に似てると思う時がありました。少し前まで国生はまだまだだなと思っていたのですが、襲名を控えてだいぶ落ち着いた大人な演技になってきていると感じました。
あとは、鶴松の女形がかわいらしかったです。


葛の葉は七之助が狐の雰囲気がよく出ていてよかった。
葛の葉と葛の葉姫の早替りのときに、素直におーっというような声が上がったのがたぶん歌舞伎座なんかと客層が違う明治座らしいという感じがしました。
梅枝の保名が非常にうまかった。
障子の曲書きは、もっと書道を勉強したほうがいいと思いました。筆の字にしては線が細過ぎでペン字みたいでした。


女殺油地獄菊之助の与兵衛が仁左衛門染五郎と比べて、放蕩息子に見えませんでした。
菊之助はどんな役でも一定水準以上にうまくやるんだけど、賢さが表に出てしまっている気がして、それが欠点かなという気がします。
ただ、殺し場は菊之助の冷たさ、硬質さが良い方に生きて、緊迫感のある、いい場面になったと思います。
ほかでは橘三郎、吉弥の夫婦がとてもよかった。


夜の部の浮かれ心中はとても面白かった。
勘三郎とよく似ているけれども、笑わせ方は初役ということもあって少し抑えめな感じがしましたが、それがかえって良く感じました。
特に、最後の茶番が現実と逆転するという皮肉は勘九郎の方が印象に残った気がします。
ちゅう乗りのときに、猿之助さんの気持ちがわかるとか、今日はおじいさんの命日だから、久しぶりに会えるかなあというようなことを言ってました。16日は十七代目中村勘三郎の命日だったんですね。
3階左側の席だったので、ちゅう乗りがよく見えて楽しかったです。


二人椀久は七之助がとてもきれいで幻の雰囲気がよく出ていました。


昼の部

一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
葛の葉


女房葛の葉/葛の葉姫 中村七之助
安倍保名       中村梅枝
柵          中村歌女之丞
信田庄司       片岡亀蔵




大沼信之 作
二、末広がり(すえひろがり)

太郎冠者  中村勘九郎
万商人   中村国生
宝斉娘福子 中村 鶴松
分限者宝斉 片岡亀蔵




近松門左衛門
片岡仁左衛門 監修
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)

河内屋与兵衛  尾上菊之助
お吉      中村七之助
豊嶋屋七左衛門 中村勘九郎
太兵衛     坂東亀寿
芸者小菊    中村梅枝
小栗八弥    中村萬太郎
おかち     坂東新悟
白稲荷法印   市村橘太郎
綿屋小兵衛   片岡松之助
河内屋徳兵衛  嵐橘三郎
おさわ     上村吉弥
山本森右衛門  河原崎権十郎




夜の部

井上ひさし 作「手鎖心中」より
小幡欣治 脚本・演出
大場正昭 演出
一、浮かれ心中(うかれしんじゅう)

中村勘九郎ちゅう乗り相勤め申し候


若旦那栄次郎  中村勘九郎
おすず     尾上菊之助
太助      坂東亀三郎
帚木      中村梅枝
清六      中村萬太郎
栄次郎妹お琴  坂東新悟
伊勢屋番頭吾平 市村橘太郎
遣手お辰    中村歌女之丞
役人佐野準之助 片岡亀蔵
伊勢屋太右衛門 坂東彦三郎




二、二人椀久(ににんわんきゅう)

屋久兵衛 尾上菊之助
松山太夫  中村七之助


http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/play/461

四月歌舞伎座 昼の部

歌舞伎座昼の部、操り三番叟は、染五郎の動きが軽やかでした。


不知火検校は演舞場で上演されて以来の再演。
舞台転換が多くて慌ただしいのと、舞台が暗いのであまり好きな演目ではありませんが、幸四郎にはぴったりはまった演目だと思います。
小悪党の一幕目より、検校になってからの二幕目の方が面白いです。
結局、最後の検校のセリフを歌い上げたいがために、長々と犯罪を見せていくような演目なのかなという感じがします。
初演の十七代目中村勘三郎は愛嬌と暗い陰の部分を兼ね備えた役者さんだったそうなので、きっと面白かっただろうと思います。
幸四郎がたぶん気持ちよさそうに演じているのが感じられて良かったです。


身替座禅は、仁左衛門が客受けを狙った芝居はしてないのにもかかわらず、おかしいのがよかった。
左團次とともに、ほどよい上品な笑い。
米吉、児太郎がかわいかったです。


一、松寿操り三番叟(まつのことぶきあやつりさんばそう)
三番叟 市川染五郎
後見  尾上松也


宇野信夫 作・演出
今井豊茂 脚本
沖津浪闇不知火
二、不知火検校(しらぬいけんぎょう)
浜町河岸より横山町の往来まで


按摩富の市後に二代目検校 松本幸四郎
生首の次郎後に手引の幸吉 市川染五郎
奥方浪江         中村魁春
指物師房五郎       中村錦之助
湯島おはん        片岡孝太郎
手引の角蔵        中村松江
丹治弟玉太郎       尾上松也
若旦那豊次郎       大谷廣太郎
娘おしづ         中村児太郎
富之助          中村玉太郎
魚売富五郎        松本錦吾
初代検校         大谷桂三
因果者師勘次       澤村由次郎
夜鷹宿おつま       市川高麗蔵
検校女房おらん      坂東秀調
岩瀬藤十郎        大谷友右衛門
鳥羽屋丹治        坂東彌十郎
母おもと         片岡秀太郎
寺社奉行石坂喜内     市川左團次



岡村柿紅 作
三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)


山蔭右京 片岡仁左衛門
太郎冠者 中村又五郎
侍女千枝 中村米吉
同 小枝 中村児太郎
奥方玉の井 市川左團次


http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/470

僕だけがいない街

僕だけがいない街を観ました。

原作は読んでないので、アニメとの比較だけしかできないけど、ちょっと最後は納得いかない終わり方でした。
子役は二人ともうまくてよかった。有村架純がかわいかった。

http://wwws.warnerbros.co.jp/bokumachi/

藤原竜也
有村架純
鈴木梨央
中川翼
及川光博
石田ゆり子
杉本哲太

3月新派公演「遊女夕霧」「寺田屋お登勢」@国立劇場

3/27(日)に国立劇場で新派公演を観ました。


遊女夕霧は新派らしい良い話でした。
波乃久里子さんは、前半の花魁と後半で与之助のために奔走する姿の差と、情の深いところが非常によかった。
後半に出てくる脇役の柳田豊と田口守が非常にうまくて、その時代らしさと人情が感じられました。


寺田屋お登勢は回り舞台をバンバン使って三越劇場ではできないスケールの大きな舞台。
ただ、少し長くて場面転換が多いのと、音楽が昭和を感じさせる古い感じなのが残念でした。
水谷八重子さんがしっかりとしたおかみさんがぴったり。
獅童坂本竜馬は、まあ歌舞伎よりもこういう役がイキイキして本人も楽しそうでした。
Eテレの番組のせいで、坂本竜馬が踊りだしはしないかとちょっと思ってしまいましたが。



川口松太郎=作
大場正昭=演出
 
花柳十種の内
 遊女夕霧(ゆうじょゆうぎり) 一幕二場
              織田音也=美術
              中嶋正留=美術


       第一場  吉原、「金蓬萊」遊女夕霧の部屋
       第二場  深川西森下、円玉の家の二階座敷   


遊女夕霧  波乃久里子
番頭与之助 市川月乃助



榎本滋民=作
成瀬芳一・齋藤雅文=演出

八重子十種の内
  寺田屋お登勢(てらだやおとせ ) 三幕六場
織田音也=美術
             中嶋正留=美術




第一幕    第一場  文久二年四月二十三日の夜ふけ
第二場   同年六月十二日の昼下がり   
 第二幕           元治元年八月十九日の夕刻
 第三幕    第一場  慶応二年一月二十三日の真夜中
          第二場  同年二月二十九日の宵
          第三場  翌年十一月十六日の暁方


お登勢   水谷八重子
陸奥源二郎 市川月乃助
坂本竜馬  中村獅童
お龍    瀬戸摩純
竜馬の姉・乙女 英太郎


http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2015/31009.html