連休に京都南座に行ってきました。
昼の部佐々木高綱は、観たことないかと思ってましたが、一度見たことがありました。
そもそも話としてはさほど面白くありませんが、我當が非常によくて面白く見ることができました。
石切梶原は團十郎休演が残念でしたが、翫雀が見事に代演を勤めていました。
対面は、仁左衛門の工藤が非常に立派。勘九郎の五郎が力強く、時蔵の十郎の柔らかさとのバランスもよかったです。
廓文章、途中寝てしまいましたが、藤十郎の若さが驚異的です。
夜の部、五六段目。仁左衛門がすっきりとしてかっこよく、幕切れに「かる・・」とつぶやくのが切なかった。竹三郎のおかやが絶品。
口上は、テレビのニュースなどで観た異常な悲しい雰囲気はやや落ち着いて、できるだけ勘九郎を祝おうという雰囲気が感じられました。
我當が非常に悲しそうだったのと、時蔵が勘三郎とは同い年で芸を磨き合ってきた仲といったあたりで思わず涙が出てしまいました。左團次が御園座のときと同じ、挨拶に来た勘九郎に何度も会えなかった話をして笑わせてくれました。
勘九郎、七之助兄弟はしっかりした決意が感じられるいい口上でした。
船弁慶は、前半の静が可憐に見えました。後半になってからは知盛の足取りが本当に幽霊が海上を飛んでいるように見えました。何度か船弁慶は見ていますが、あんな足取りは初めてではないかと思いました。義経や弁慶たちに襲いかかるときの怨念のこもった気迫が凄まじかった。そしてそれを受けて立つ橋之助の弁慶も立派でした。藤十郎の義経はさすがのやわらかさと御大将の風格。三階からなので花道最後の回転する様子は見えませんでしたが、それでも十分素晴らしく、この一幕だけでも京都に来た甲斐があったと思いました。
関取千両幟は、話の内容としてはたいしたことない感じでしたが、橋之助が立派で、翫雀がいかにも相撲取りらしい雰囲気でよかったです。
昼の部(午前10時30分開演)
第一 佐々木高綱(ささきたかつな)
佐々木高綱 我 當
子之介姉おみの 孝太郎
馬飼子之介 愛之助
高綱娘薄衣 新 悟
佐々木小太郎定重 進之介
高野の僧智山 彌十郎
第二 梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
鶴ヶ岡八幡社頭の場
梶原平三景時 團十郎休演のため翫雀
娘梢 七之助
奴菊平 家 橘
囚人剣菱呑助 市 蔵
俣野五郎景久 男女蔵
青貝師六郎太夫 彌十郎
大庭三郎景親 左團次
第三 寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)
曽我五郎時致 勘太郎改め勘九郎
曽我十郎祐成 時 蔵
小林朝比奈 橋之助
化粧坂少将 七之助
喜瀬川亀鶴 壱太郎
梶原平三景時 市 蔵
梶原平次景高 薪 車
近江小藤太 男女蔵
八幡三郎 愛之助
鬼王新左衛門 翫 雀
大磯の虎 秀太郎
工藤左衛門祐経 仁左衛門
第四 玩辞楼十二曲の内 廓文章(くるわぶんしょう)
吉田屋
藤屋伊左衛門 藤十郎
吉田屋喜左衛門 彌十郎
女房おきさ 吉 弥
扇屋夕霧 扇 雀
夜の部(午後4時15分開演)
第一 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
早野勘平 仁左衛門
女房おかる 時 蔵
斧定九郎 橋之助
千崎弥五郎 愛之助
母おかや 竹三郎
一文字屋お才 秀太郎
不破数右衛門 左團次
第二 六代目中村勘九郎襲名披露 口上(こうじょう)
勘太郎改め勘九郎
幹部俳優出演
第三 新歌舞伎十八番の内 船弁慶(ふなべんけい)
静御前/新中納言平知盛の霊 勘太郎改め勘九郎
武蔵坊弁慶 團十郎休演のため橋之助
舟子岩作 扇 雀
同 浪蔵 七之助
亀井六郎 男女蔵
片岡八郎 壱太郎
伊勢三郎 新 悟
駿河次郎 薪 車
舟長三保太夫 左團次
源義経 藤十郎
第四 関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)
稲川内より角力場まで
稲川次郎吉 翫 雀
女房おとわ 孝太郎
北野屋七兵衛 薪 車
鉄ヶ嶽陀多右衛門 橋之助