3月10日の日曜日に赤坂歌舞伎を観てきました。
とにかく勘九郎の早変わりがすごくて、三役の演じわけも見事。七之助、獅童も生き生きしていて、フレッシュな舞台で楽しかったです。
普段歌舞伎をやらない場所なので客層がいつもの歌舞伎とは違って、初めて歌舞伎を観るような人や若い人も多かったように思います。こういうところから、若い人にも歌舞伎が広まるといいなと思います。
勘九郎の怪談乳房榎は、前回新橋演舞場でやったのも観てますが、三役ともそのときよりすごく良くなっていました。
もともと正助はニンに合っていてよかったのだけど、特に、前回は重みが出ていなかった菱川重信が立派になってたのが目につきました。
三次は悪の凄みが増した感じがました。やはり、勘九郎襲名披露と勘三郎さんの死を経て、大きく成長したんだなあという気がします。
獅童も前回より良くなっていました。
最後を円朝の語りで締めるのではなく、かたき討ちの場面も入れたのは話に筋も通るし、よかったんじゃないかと思います。
最初と最後だけ出てくる亀蔵の松井三郎もちょっとした役なんだけど、この人が最初に出てきてお関と話をする場面ががあるだけで、重信が元武士だったことや、浪江の正体など話がよりわかりやすくなりました。
最後の滝を用意する転換の部分も幕の前に二人出てきて解説的なやりとりをしてつなぐので飽きずにすんだし、この劇場に適したうまいやり方だと思いました。
花道が無い分、客席の通路を通るので客の反応も良くて、舞台の雰囲気って客も一緒に作るものなんだなあとつくづく感じました。
最初の場面で小山三が元気に出ているのもうれしかったです。