9/17 新橋演舞場 昼の部

連休の月曜日に新橋演舞場の昼の部を観てきました。


演目が二つしかなくて、幕間が40分あって、3時前には終わってしまうという短い公演で、観る前は物足りないかなあと思ってたのですが、充実した舞台で堪能しました。もちろん、もう一つ短い舞踊でもついてれば言うことなしだったのですが。


寺子屋は、寺入り付き。ここが付いていると、千代と小太郎の別れの場面があるので、最後の場面の悲しさがより一層際立ちます。福助はさりげない中に別れの悲しさをうまく表現していてよかったです。
涎くりの活躍の場も多くなるので、種之助が頑張ってて好感持ちました。


吉右衛門の松王がとにかく素晴らしかった。演技が自然で、芝居と言うよりも、そこに本当の松王丸がいるかのように感じられました。染五郎が出られなくなったので、より気合が入っていたのかもしれません。
駕籠から出てくるときの最初の第一声が鋭く、出ただけで雰囲気が一瞬にして変わるようでした。出てくると、本当に病気のような体調悪そうな感じに見えました。咳もリアルな感じ。(仮病ですが。)


首実検では、思わず首にでかしたと言ってしまって、たを微かに弱く言ってすぐに首桶の蓋を閉めて、源蔵に向きなおって源蔵よく打ったという流れがすごく自然でリアルな感じの中に子を思う感情が感じられました。


後半、「笑いましたか。」のセリフに小太郎を思う気持ちが出ていて涙が出ました。


玄蕃の又五郎がよかった。この役、松王の引き立て役のように見えてしまったり、単に嫌な悪役に見えてしまうことが多かったのですが、又五郎は強そうで偉そうであり、嫌な感じではあるけれども上使のきっちりした雰囲気も感じられました。梅玉の源蔵もよかった。


河内山は、松竹座で染五郎でも観ましたが、やはり貫録が違いました。最後の馬鹿め!のセリフが気持ちよく響き渡りました。



菅原伝授手習鑑
一、寺子屋(てらこや)
  寺入りより
   いろは送りまで
                    松王丸  吉右衛門
                     千代  福 助
                   園生の前  孝太郎
                 涎くり与太郎  種之助
                   下男三助  錦 吾
                   春藤玄蕃  又五郎
                     戸浪  芝 雀
                   武部源蔵  梅 玉



  天衣紛上野初花
二、河内山(こうちやま)
  上州屋質見世
  松江邸広 間
  同  書 院
  同  玄関先
                  河内山宗俊  吉右衛門
                  後家おまき  魁 春
                 高木小左衛門  又五郎
                 近習大橋伊織  松 江
                 同 黒沢 要  歌 昇
                 同 米村伴吾  種之助
                 同 堀江新六  廣 松
                 同 川添運平  隼 人
                   北村大膳  吉之助
                   腰元浪路  米 吉
                   宮崎数馬  錦之助
                 和泉屋清兵衛  歌 六
                  松江出雲守  梅 玉