9/16 文楽第二部@国立劇場 「傾城阿波の鳴門」「冥途の飛脚」

文楽第二部へ行ってきました。


観劇前に、新日屋渡辺保さんの講座を聞きました。

渡辺さんの講座を聞いたのは3回目ぐらいだけど、相変わらず面白い。
渡辺さんが面白いと感じたポイントを語ってくれるので、解説というより、感想に近いんだけども、書かれた劇評より話の方がユーモアもあって楽しい。
傾城阿波の鳴門と冥途の飛脚、両方とも面白かったとほめてました。
内憂外患に対して、文楽が結束してるからだろうと。


さて、傾城阿波の鳴門は子供を殺してしまう、何ともやりきれない悲しい話。なんで文楽、歌舞伎にはこういう話が多いのでしょうか。
話は悲しいのだけど、呂勢大夫と藤蔵が緊迫感があって、素晴らしかった。
もちろん、文雀のお弓と玉也の十郎兵衛もよくて、娘の亡骸を抱くお弓の姿には泣きました。


続いて、冥途の飛脚。普通、歌舞伎でも恋飛脚大和往来の方ばかり上演されているので、渡辺さんも歌舞伎で冥途の飛脚は一度しか見たことがないとか。
八右衛門が悪役じゃないので、忠兵衛の情けなさ、どうしようもない男だというのがより強く感じられました。
勘十郎の梅川は、けなげさ、いじらしさが感じられてとてもよかった。



傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)
十郎兵衛住家の段

豊竹咲寿大夫 鶴澤清公

竹本津駒大夫 鶴澤寛治

豊竹呂勢大夫 鶴澤清治休演のため、鶴澤藤蔵

女房お弓 吉田文雀
飛脚 桐竹紋秀
娘おつる 桐竹紋吉
阿波十郎兵衛 吉田玉也


冥途の飛脚(めいどのひきゃく)
淡路町の段
豊竹咲大夫 鶴澤燕三
封印切の段
豊竹嶋大夫 豊澤富助
道行相合かご
梅川 豊竹咲甫大夫
忠兵衛 豊竹睦大夫
豊竹咲寿大夫
竹本小住大夫
豊竹始大夫
竹澤宗助
鶴澤清志郎
鶴澤清馗
鶴澤寛太郎
鶴澤清公