2/11 中村勘太郎改め六代目中村勘九郎襲名披露 昼の部 @新橋演舞場

勘九郎襲名披露の昼の部を観てきました。


とにかく勘九郎の土蜘が素晴らしかった!
浅草の初役で観た時もうまいなあと感心し、今回も劇評などでずいぶん高評価だったので、楽しみだったのですが、期待以上でした。


まず花道を音もたてずに現れて七三にスッと立った静かな妖しさがよく、「いかに頼光」という第一声が地の底から聞こえるような低い響きで尋常ならざるものの雰囲気が感じられました。そして頼光に切られて花道を下がるときにはギラリと光る眼に凄みがありました。


後半の立ち回りは躍動感が素晴らしかったです。特に、花道で立ち回りの後、タンタンタンタンと足踏みしながら舞台中央に戻ってポンと跳ねて極まるところのイキと形の良さ。前にも書きましたがそういうところの若さ、姿の良さが好きです。静と動、勘九郎の全ての動きにぐっと引き込まれました。


三津五郎は病身のちょっと憂いのある御大将の風格が良く出ていました。橋之助の保昌が大きく立派で、去年海老蔵がやった茨木の渡辺綱橋之助で観てみたいと思いました。


狂言吉右衛門仁左衛門勘三郎芝雀の、襲名披露ならではの豪華すぎる顔ぶれで楽しくて仕方ありませんでした。
唯一残念だったのは、四天王が若手であまり強そうに見えなかったこと。将来に期待したいと思います。


鳴神は、橋之助は後半の見得に迫力がありました。七之助はすごく色気がありました。個人的には絶間姫は古風な方が好きですが、七之助のような現代的な感じもいいですね。


河内山は仁左衛門の「ばかめ!」のセリフが小気味よく、爽快でした。秀太郎我當と兄弟三人そろったところはみんなうまい役者さんなので、安定感があって非常に面白かったです。
勘九郎の松江出雲守が短気な感じがうまかった。



一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
                
鳴神上人       中村橋之助
所化白雲坊      片岡亀蔵
所化黒雲坊      市川男女蔵
雲の絶間姫      中村七之助


二、新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)

僧智籌実は土蜘の精  中村勘太郎改め勘九郎
源頼光        坂東三津五郎
侍女胡蝶       中村福助
平井保昌       中村橋之助
渡辺綱        中村松江
坂田公時       坂東巳之助
碓井貞光       中村児太郎
ト部季武       中村国生
太刀持音若      中村宜生
巫子榊        中村芝雀
番卒藤内       中村勘三郎
番卒次郎       片岡仁左衛門
番卒太郎       中村吉右衛門


  天衣紛上野初花
三、河内山(こうちやま)
  質見世より玄関先まで

               
河内山宗俊  片岡仁左衛門
松江出雲守  中村勘太郎改め勘九郎
宮粼数馬   中村錦之助
腰元浪路   中村隼人
北村大膳   澤村由次郎
高木小左衛門 中村東蔵
後家おまき  片岡秀太郎
和泉屋清兵衛 片岡我當