2/4 文楽第一部「平家女護島」@国立劇場

近松名作集の2月文楽のうち、第一部を見ました。
歌舞伎でも有名な「俊寛」ですが、今回は文楽でもあまり上演されない、「六波羅の段」と「舟路の道行より敷名の浦の段」付き。

六波羅の場面は、歌舞伎では国立劇場幸四郎がやったときに上演されたのを見たことがあります。
歌舞伎では、あずまやの自害のみがフォーカスされていたところ、文楽では有王丸という俊寛の身内が出てきて立廻りがあるのが違っていたところ。清盛の横暴さ、教経の知将ぶりがよくわかる場面です。しかし、顔が好きなら首だけでいいだろうから、首にして持ってきたというのは怖い。

俊寛、舞台が歌舞伎と違って庵がなく、海だけが広がっていて、より寂寥とした雰囲気が強く感じられました。
少将だったか、康頼だったかどちらか忘れましたが、岩場を降りてくるのもちょっと面白く感じました。歌舞伎では澤瀉屋の型で岩を降りて登場するのを見たことがあります。
全体的に、場面のドラマチックさでは歌舞伎が勝るように思いました。

最後に「舟路の道行より敷名の浦の段」。清盛が法皇を海に投げ込み、助けようとする千鳥。そしてなんと、千鳥が清盛に殺されてしまうという、今まで全く知らなかったストーリー展開に驚きました。これは歌舞伎で上演されないのも当然かなと思いました。

今回、席が床の近くだったので、迫力があって楽しかったです。

http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2016/21039.html?lan=j