右團次襲名昼の部は、雙生隅田川。
この演目で驚いたのは初舞台の右近のすごさ。
武田タケルの名前で一度舞台に出ているけれど、今回が初舞台。まだ小学校にも上がっていない6歳で、早替わりと宙乗りをこなし、セリフもきっちり。
天才子役の出現と言っても過言ではないかも。将来が楽しみです。
右團次の猿島惣太がこってりと、悪から自害して天狗になるさまを見せて見ごたえありました。
天井から小判を落とすところとか、切腹して腸をつかみだすところとか、関西出身らしい、澤瀉屋一門らしい、ともすればしつこくなりそうなところが何とも面白く、味わいがありました。
最後の鯉つかみも奮闘で、右團次襲名でひとつ役者が大きくなった感じがしました。
ほか、米吉の立役が二カ月連続で見られるとは思いませんでした。小姓役が非常によく似合っていました。
昼の部
近松門左衛門 作
戸部銀作 脚本・演出
奈河彰輔 脚本・演出
市川猿翁 脚本・演出
石川耕士 補綴・演出
三代猿之助四十八撰の内
通し狂言 雙生隅田川(ふたごすみだがわ)
猿島惣太後に七郎天狗/奴軍介 市川右近改め右團次
班女御前 市川猿之助
大江匡房 市川中車
淡路前司兼成 市川男女蔵
小布施主税 中村米吉
次郎坊天狗 大谷廣松
梅若丸/松若丸 初舞台 市川右近
局 長尾 市川笑三郎
勘解由兵衛景逸 市川猿弥
惣太女房 唐糸 市川笑也
吉田少将行房 市川門之助
県権正武国 市川海老蔵