12/4 12月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』@国立劇場

文楽仮名手本忠臣蔵を通しで観ました。文楽忠臣蔵を見るのははじめて。
朝の10時半から夜の9時半ごろまでで、休憩時間も短く、体力勝負でしたが、観終わった後、充実感がありました。

歌舞伎と比べてみるといろいろ違いがあるのが面白かったです。
まず大序は歌舞伎のような儀式性はなく、普通に始まります。直義と師直だけでなく、塩冶判官も階段の上にいて、若狭之助は上手の段の下にいる。
イチョウの木の葉は黄色くなくて緑でした。

二段目、松切りの段、先日国立劇場では松が下手にありましたが、上手でした。
下馬先進物の段、門構えが歌舞伎より立派で堀もありました。
刃傷の場面は、廊下を横切るだけでなく、一旦幕を入った後、また帰ってきて距離感が歌舞伎よりありました。

四段目の切腹は場内が静まり返っていて、九寸五分に紙を巻く音も聞こえるくらいでした。
城明け渡しは、ずっと義太夫がなく、最後の一言のみ。緊張感があって、歌舞伎よりも面白いと思いました。

五段目は定九郎がよくしゃべるのが面白い。
六段目では、一文字屋お才と源六ではなく、男性一人のみ。

七段目、平右衛門を語る義太夫が下手に一人用の床に座って、床本もなしで語るのが面白い。
一力茶屋は歌舞伎のほうが面白いかなと思いました。
九段目、門と、竹やぶの位置関係が歌舞伎と逆で、上手から戸無瀬、小浪が入ってくる。

十段目の由良之助は葛籠の中に隠れていた体でそこから出てくるのが歌舞伎と違う。
最後は引き上げで終了。<第一部>午前10時30分開演
通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
大  序   鶴が岡兜改めの段・恋歌の段
二段目   桃井館本蔵松切の段
三段目   下馬先進物の段・腰元おかる文使いの段・
       殿中刃傷の段・裏門の段
四段目   花籠の段・塩谷判官切腹の段・城明渡しの段
五段目   山崎街道出合いの段・二つ玉の段
六段目   身売りの段・早野勘平腹切の段<第二部>午後4時30分開演

通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
七段目   祇園一力茶屋の段
八段目   道行旅路の嫁入
九段目   雪転しの段・山科閑居の段
十段目   天河屋の段
十一段目 花水橋引揚の段


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