国立能楽堂で、講談の勧進帳と能の安宅の二本立てという面白い企画を観ました。
講談の勧進帳も能の安宅もはじめてでした。
神田松鯉さんの勧進帳はめったにやらないので、八年ぶりとのことでしたが、見事でした。
問答と勧進帳の読み上げが聞き応えありました。
歌舞伎と違うなと思ったところがいくつか。富樫の名前がとがしのすけまさひろ。義経主従は十三人、番卒は三百人。問答が先で勧進帳読み上げが後といった違いが。
その後が能の安宅。
今回は、小書で問答と滝流しがあったので、想像していたよりは歌舞伎に近い感じがしました。
歌舞伎と大きく違うところとしては、義経が子方。かわいかったですが、セリフもしっかりしてました。プログラムを見たら、2008年生まれの8歳だとか。
あとは山伏の人数が多い。狭い能舞台に弁慶の他に山伏が六人もいると、迫力がありました。
富樫に詰め寄るのを弁慶が押さえるところでは、六人が飛び跳ねて床を踏み鳴らしたりして面白かった。
あとは、けっこう強力と太刀持ちのする事が多かったのは歌舞伎と違うなと思いました。
富樫は富樫某で名前がなく、歌舞伎と違って化粧しないから、歌舞伎より無骨な感じがしました。
あとで知ったのですが、弁慶は金剛流の宗家だったそうで、どうりで重厚な雰囲気だなあと思いました。
他の流派でも観てみたいなと思いました。
弁慶の衣装と子方の義経を観てたら、矢車会で観た富十郎さんの弁慶と鷹之資くんの義経を思い出したりもしました。
国立劇場開場50周年記念
平成28年度(第71回)文化庁芸術祭主催
◎古典の日記念1<安宅関の山伏問答>
講談 勧進帳(かんじんちょう) 神田松鯉
能 安宅(あたか)
延年滝流(えんねんたきながし)
問答之習(もんどうのならい)
貝立貝付(かいたてかいつけ) 金剛永謹(金剛流)