2015年 7/5 新橋演舞場「阿弖流為」

阿弖流為はとにかく楽しかった。新感線のアテルイがいまひとつ好きではなかったので、心配していたのだけど、好きじゃなかった原因の、ギャグが多すぎるのと、染五郎の活躍を期待してたのに堤真一が大きすぎて、両主人公という形で染五郎が少し霞んだという点だったのが、解消されてました。過剰なギャグはほとんどなくなってたし、勘九郎も存在感は大きいんだけど、染五郎に座頭の風格が出ていたので、同格という感じではなかった。


結局初日含め、三回観に行き、3階、1階、2階といろいろとなところから観たので、見るたびにいろいろ発見がありました。
とにかく染五郎勘九郎がかっこよかった。染五郎勘九郎のスピード感があって激しい立ち回りはもちろんかっこいいんだけど、七之助の立ち回りがまたかっこよくてきれいだった。普段はあんな姿見ないからとても新鮮な印象でした。
勘九郎が腰を落として重心を低く構えた姿がすごくかっこよくて、跳躍するときと、そういう姿勢のときに足腰の強靱さを感じました。
一階席で見た日は、仮花道の近くだったので、駆け抜けていく疾走感が感じられてよかったです。初日には見られなかった花道での見得も見れました。二階席の日は、仮花道の真上あたりの席だったので、駆け抜けてくる役者さんの姿がよく見えたし、最後のリストバンドもすごくきれいに見えたてとてもよかったです。


その他の役者さんも、萬次郎さんはビジュアルがすごくて、声聞くまで一瞬誰かと思ったし、彌十郎さんと萬次郎さんが出てくると重厚感が出るのがさすがでした。また亀蔵が期待に違わぬ怪演で盛り上げてくれました。橘太郎と宗之助が悪役っていうのも、普段の歌舞伎ではほとんどないんじゃないかと思われますが、いい味を出していました。


最後のリストバンドは、三階から見てもとてもきれいで、たぶん舞台から客席見てる役者さんたちが一番きれいに見得て嬉しいだろうなあと思いました。初日のカーテンコールは、とても盛り上がりました。


阿弖流為     市川染五郎
坂上田村麻呂利仁 中村勘九郎
立烏帽子/鈴鹿  中村七之助
阿毛斗      坂東新悟
飛連通      大谷廣太郎
翔連通      中村鶴松
佐渡馬黒縄    市村橘太郎
無碍随鏡     澤村宗之助
蛮甲       片岡亀蔵
御霊御前     市村萬次郎
藤原稀継     坂東彌十郎


http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/83