4/6に待ちに待った歌舞伎座開場を通しで観てきました。
第一部最初は、鶴寿千歳。まずは染五郎と魁春。二人とも品があり、お祝いにふさわしい雰囲気でした。続いて、権十郎、高麗蔵を中心に若手が踊って最後に藤十郎がセリから登場。若々しく、存在感が大きくさすがで華やかでした。
続いてお祭り。幕が開く前に中村屋ー!の大向こうで場内拍手が起きました。
勘九郎と七之助に手を引かれた七緒八くんが登場したのを見て、涙が出ました。
二歳とは思えない落ち着きぶりで、後ろで座ってる間も他の人の踊りをじっと見ていたり、扇子を開いて肩にかけて三津五郎と同じ格好をしようとしたり、かわいくて目が離せませんでした。
熊谷陣屋はすばらしかった。特に義経が登場してからの緊迫感、大きな舞台が本当に大顔合わせという感じがしました。
吉右衛門の熊谷がすばらしいのはもちろんのこと、仁左衛門の義経がまさに御大将の品格、風格があって、情も深く、今までに観たことがない雰囲気の義経でした。最後に首を熊谷に見せるところで自分は斜め後ろを向いて熊谷と目を合わせなかったり、幕切れは首を大切そうに抱えて情を見せたり、弥陀六に声をかける前から嬉しそうな表情をしていたり、感情表現が細やかでした。他にも、弥陀六に声をかけるときに、「爺」を言わなかったり、鎧櫃を持ってこさせるときに、「障子の内の鎧櫃」と言ったり、独特なところがありました。
玉三郎の相模は、首を受取るときに打掛でいとおしそうに包んで、嘆く表現もリアルで義太夫狂言らしさとはちょっと違った独特な雰囲気でした。
菊之助は頑張ってましたが、この三人に囲まれてしまうとちょっと物足りなかった。
三人が三人ともすごいので、自分の観方が散漫になってしまった感じがして、吉右衛門を中心にしたまとまりという意味ではさよなら公演の方がよかった気がしましたが、さすがに再開場にふさわしい舞台だったと思います。
第一部
一、壽祝歌舞伎華彩(ことぶきいわうかぶきのいろどり)
鶴寿千歳
鶴 坂田藤十郎
春の君 市川染五郎
宮中の男 河原崎権十郎
同 中村亀鶴
同 尾上松也
同 中村萬太郎
同 大谷廣太郎
宮中の女 市川高麗蔵
同 中村梅枝
同 中村壱太郎
同 尾上右近
同 大谷廣松
女御 中村魁春
十八世中村勘三郎に捧ぐ
二、お祭り(おまつり)
鳶頭 坂東三津五郎
同 中村橋之助
同 坂東彌十郎
同 中村獅童
同 中村勘九郎
同 片岡亀蔵
芸者 中村福助
同 中村扇雀
同 中村七之助
若い者 坂東巳之助
同 中村国生
同 中村宗生
同 中村虎之介
同 中村宜生
手古舞 坂東新悟
同 中村児太郎
一谷嫩軍記
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実 中村吉右衛門
相模 坂東玉三郎
藤の方 尾上菊之助
亀井六郎 中村歌昇
片岡八郎 中村種之助
伊勢三郎 中村米吉
駿河次郎 大谷桂三
梶原平次景高 澤村由次郎
堤軍次 中村又五郎
白毫弥陀六 中村歌六
源義経 片岡仁左衛門