1/2 新春浅草歌舞伎@浅草公会堂 

本年の初観劇は浅草歌舞伎初日を通しで観てきました。


まずは朝早めに到着して鏡開きを見ました。浅草歌舞伎は海老蔵は14年ぶり、孝太郎は16年ぶり、市蔵は23年ぶり、右之助は30年ぶりぐらいだと話していました。みんないろいろ意気込みを話してましたが、米吉が去年のあいさつがつまらなかったと母に言われたので面白いことを一年間考えたけど思いつきませんでしたと言ってたのが面白かったです。


年始ご挨拶は愛之助。客席に降りて、お客さんから質問を受け付けてましたが、ひとり目は、「去年いろいろなところでエグザイルの踊りを踊ってましたが、日本舞踊とはどう違いますか?」、二人目は「去年はいろいろなことがありましたが、今年は歌舞伎にとってどんな年にしたいですか?」という質問でした。
演目の説明では長兵衛について、アウトローな人物という説明をした後、海老蔵さんがアウトローってことじゃないですよ、役がですよと言って笑いをとってました。


第一部最初は、対面。すごく若々しくて新鮮な感じがしました。
海老蔵の工藤はさすがにこの若手メンバーの中ではとびぬけた存在感がありました。
壱太郎の十郎は柔らかくて、セリフ回しや声が時々藤十郎に似ていました。
松也の五郎は力いっぱい一生懸命でしたが、ニンではないかなあという感じ。新悟の舞鶴は声がよくて、落ち着いてしっかりしてました。
米吉、梅丸の大磯の虎と化粧坂少将がお人形さんみたいなかわいらしさでした。


幡随長兵衛は、海老蔵の長兵衛が立派でした。子分の出尻清兵衛の松也の愛嬌がよかったのと、亀鶴の唐犬権兵衛がいかにも長兵衛の兄弟分らしい雰囲気でよかったです。ほかの子分たちは若手ぞろいで見ていて将来が楽しみでした。
ほか、脇役では舞台番の新十郎が粋で、坂田金左衛門の松之助も手堅くてよかったです。


第二部の最初は、毛谷村。愛之助の六助が素朴ないい人の雰囲気がよく出ていました。亀鶴の微塵弾正がちょっとした出番の中でいかにも悪役の雰囲気を出していてかっこよかった。壱太郎のお園が、六助が許嫁とわかって恥じらう様子がとてもかわいらしく、立ち回りをしながら自分のことを語るところも決まり決まりがきれいでしっかりしてました。海老蔵はちょっと出るだけながら、拍手が一番大きかった感じです。吉弥が上品でした。


続いて海老蔵の口上。にらみがありました。正月早々いいものを見ました。


最後は、勧進帳。ここ何回か観た海老蔵の弁慶がよくなかったので、心配して観たのですが、本人も言うとおり、浅草で初心に返ったのか、前見たときに比べてきちんと演じていたように見えました。
愛之助の富樫もすっきりとかっこよかったです。
團十郎の部屋子になった子役の秋山悠介くんが市川福太郎として太刀持に出ていました。

終わって6時ぐらいという時間は観劇後にゆっくりできるのでよかったです。


第1部(午前11時開演)


お年玉〈年始ご挨拶〉


一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)

                工藤祐経  市川海老蔵
                曽我五郎  尾上松也
                曽我十郎  中村壱太郎
               近江小藤太  中村種之助
                八幡三郎  中村隼人
               化粧坂少将  中村梅丸
                大磯の虎  中村米吉
               小林妹舞鶴  坂東新悟
              鬼王新左衛門  中村亀鶴
              梶原平三景時  嵐橘三郎
              梶原平次景高  市川新十郎
              大名 實川延郎中村富志郎中村梅蔵坂東玉雪坂東功一澤村國矢片岡松十郎中村鴈童


二、極付 幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)

  「公平法問諍」(きんぴらほうもんあらそい)

              幡随院長兵衛  市川海老蔵
             水野十郎左衛門  片岡愛之助
               唐犬権兵衛  中村亀鶴
               出尻清兵衛  尾上松也
                極楽十三  中村壱太郎
                雷重五郎  中村種之助
                神田弥吉  中村米吉
                小仏小平  中村隼人
                閻魔大助  坂東功一
                笠森団六  澤村國矢
                地蔵三吉  片岡松十郎
               御台柏の前  坂東新悟
               伊予守頼義  上村吉弥
                坂田公平  片岡市蔵
                慢容上人  嵐橘三郎
               近藤登之助  市川右之助
                女房お時  片岡孝太郎



第2部(午後3時開演)


  彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち

一、毛谷村(けやむら)

               毛谷村六助  片岡愛之助
                  お園  中村壱太郎
                  お幸  上村吉弥
          微塵弾正実は京極内匠  中村亀鶴
            忍びの浪人直方源八 片岡松十郎
               杣斧右衛門  市川海老蔵


二、寿初春 口上(こうじょう)

                  口上  市川海老蔵


三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

               武蔵坊弁慶  市川海老蔵
               富樫左衛門  片岡愛之助
                亀井六郎  尾上松也
                片岡八郎  中村壱太郎
                駿河次郎  中村種之助
               常陸海尊  片岡市蔵
                 源義経  片岡孝太郎
               太刀持    市川福太郎
               番卒     片岡松之助市川新十郎片岡仁三郎