9/23 松竹大歌舞伎 西コース@川口リリア・メインホール

23日に埼玉県川口で巡業を観てきました。

用があって遅れたので、熊谷陣屋の途中から。
右近の熊谷は13年前の右近の会以来、2回目だそうです。
やはり、他の熊谷役者と比べてしまうと、小粒な感じは否めないと感じました。
最初から見てないせいもあるのでしょうが、全体的にさらさらとして義太夫狂言らしい重さを感じませんでした。


そして、幕切れは、相模も髪を切り、二人で一緒に引っ込むという珍しい型。これが観たくて今回チケットをとりました。
猿三郎のブログに書いてありますが、猿翁がやった型だとのこと。
http://blogs.yahoo.co.jp/enzaburou/36717261.html
終盤、まず右近の熊谷は先に兜を取って出家したことを見せるやり方。鎧を先に取るよりこの方がいいですね。
そして相模も髪を切ります。
「16年は一昔、夢であったなあ」のセリフは幕が締まる前に、舞台の中央のあたりで言います。
この位置でやるのはちゃんとした花道がないからなのかどうかはわかりません。
右近がこのセリフを言っている間、笑三郎は後ろを向いてわが子の首をじっと見ているのですが、その姿がなんとも哀しみを感じました。
全体的に笑三郎の相模は重厚さはないものの、子を失った悲しみはよく出ていたと思います。
最後は熊谷の持つ杖に相模がつかまって一緒に歩いていき、夫婦の哀しみがよく伝わってきました。
いい型なので、本公演でちゃんとした花道で観てみたいと思いました。


女伊達は華やかで笑也がきれいでした。
笑也が出てきた瞬間に、周囲のおばちゃん達からきれいねーとかわかりやすい声が聞こえてきたのが、普段の歌舞伎と比べて巡業ならではの素直な反応で面白かったです。



一、歌舞伎のみかた

解説 市川猿弥


二、熊谷陣屋

熊谷次郎直実 市川右近
平経盛室藤の方 市川笑也
熊谷妻相模 市川笑三郎
堤軍次 市川弘太郎
梶原平次景高 市川寿猿
百毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 市川猿弥
九郎判官義経 市川門之助


三、女伊達
女伊達木崎のおたか 市川笑也
男伊達 淀川の千蔵 市川猿三郎
男伊達 中之島鳴平 市川猿四郎