8/4 八月花形歌舞伎@新橋演舞場

今月の演舞場は初日に通しで観ました。


昼の部桜姫は、私はコクーンのは観なかったので、2004年以来。初めて観たのは2000年の国立でしたので3回目です。
福助の桜姫は悪くなかった。玉三郎みたいな美しさとは違った面白さがありました。
海老蔵の権助はもっとワルっぽくてもいいかなぁと思いましたが、色気もあってかっこよかった。
愛之助の清玄は、桜姫の手を開かせるために唱える南無阿弥ーの声がよく通るすごくいい声で、高貴なお坊さんの雰囲気がとてもよく出ていました。
そこがいいおかげで、後半の落ちぶれた様子との対比がよく出ていました。
その他では市蔵と萬次郎がコミカルでとても面白かったです。


夜の部は、海老蔵の伊達の十役。伊達の十役は過去に猿翁のを一度観たことがあります。
猿之助が鮮やかに演じ分けていたのに比べると海老蔵はどれも海老蔵だなあという感じでしたが、早替わりはとても楽しかったです。
十役の中ではやはり仁木弾正が一番。細川勝元と荒獅子男之助もよかったです。与右衛門と頼兼は見た目はいいのですが、声の変化で演じ分けようとして猫なで声みたいな変な声を出すのが残念。累と高尾は体が殺せてなくてデカくて女形は無理だなあと思いました。ただ、政岡はまあまあよかったです。


右近の八汐が、千松を刺すときに河内屋の型で懐から鏡を取り出して鏡で懐剣の柄を叩いて、そのあと鏡で政岡の様子を窺うという珍しい型をやっているのが面白かったです。



昼の部

桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)
  発 端 江の島稚児ヶ淵の場
  序 幕 新清水の場
      桜谷草庵の場
  二幕目 三囲の場
  三幕目 岩淵庵室の場
  四幕目 権助住居の場
  大 詰 浅草雷門の場

          白菊丸/桜姫  中村福助
       清玄/稲野屋半兵衛  片岡愛之助
            粟津七郎  市川右近
           葛飾のお十  市川笑也
            吉田松若  中村児太郎
             奴軍助  市川弘太郎
            端女お咲  中村歌江
           入間悪五郎  片岡亀蔵
              残月  片岡市蔵
              長浦  市村萬次郎
   釣鐘権助/大友常陸之助頼国  市川海老蔵


夜の部

慙紅葉汗顔見勢(はじもみじあせのかおみせ)
三代猿之助四十八撰の内 伊達の十役(だてのじゅうやく)
  市川海老蔵十役早替り宙乗り相勤め申し候

  発 端 稲村ヶ崎の場
  序 幕 鎌倉花水橋の場
      大磯廓三浦屋の場
      三浦屋奥座敷の場
  二幕目 滑川宝蔵寺土橋堤の場
  三幕目 足利家奥殿の場
      同床下の場
  四幕目 山名館奥書院の場
      問註所門前の場
      同白洲の場

              口上  
     仁木弾正/絹川与右衛門
       赤松満祐/足利頼兼
      土手の道哲/高尾太夫  市川海老蔵
        腰元累/乳人政岡
     荒獅子男之助/細川勝元

          渡辺民部之助  片岡愛之助
              八汐  市川右近
             京潟姫  市川笑也
              松島  中村児太郎
           山中鹿之助  市川弘太郎
            山名持豊  市川寿猿
            大江鬼貫  片岡亀蔵
         渡辺外記左衛門  片岡市蔵
             沖の井  市村家橘
     三浦屋女房松代/栄御前  市村萬次郎