2/5 国立劇場2月文楽 第三部 「菅原伝授手習鑑」「日本振袖始」

国立劇場文楽三部を観てきました。

寺子屋文楽で観るのは初めてです。
幕が開くと、歌舞伎と違って、涎くり以外の寺子もお互いにちょっかいを出したり、いたずらしてザワザワ落ち着かない雰囲気なのが面白い。
寺入りからなので、千代が持ってきたお土産に群がる様子も子供らしくて微笑ましかった。

文雀の千代は、小太郎と別れるときのちょっとした動きに今生の別れの悲しみがにじみ出ていて素晴らしいと思いました。

涎くりは、へのへのもへじを書いたり、迎えに来た親を背負って引っ込むとか、やってることはだいたい同じなんだけど、歌舞伎の方が遊び心があって面白い。

首実検では、松王丸の目が玄蕃を見て、源蔵を見てとギョロギョロと動くのが人形ならではの動き。首桶を開けた後、懐紙で首を拭くのが人形なのに妙なところでリアルだと思いました。

全体的に歌舞伎の見得のような大きな動きが少なめで、歌舞伎よりも静かに物語が進行していくような気がしました。

嶋大夫の声に迫力があり、いろは送りは歌舞伎のときよりも胸にジーンとくるような気がしました。


日本振袖始は昨年歌舞伎で観たばかりなので、違いを楽しみながら観ることができました。
演奏は三味線5人、大夫4人ですごく迫力があり、とても良かったです。
そして、何といっても勘十郎の岩長姫の踊りが見事。妖しさと美しさが伝わってきて素晴らしかったです。
八岐大蛇は歌舞伎と違って、龍のような頭の4匹の大蛇がニョロニョロと出てきて立ち回りをするのが迫力がありました。


菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

 
 寺入りの段
 豊竹睦大夫 鶴澤清馗

 
 寺子屋の段
 前 竹本津駒大夫 鶴澤寛治
 切 豊竹嶋大夫 豊澤富助

 
 女房戸浪  桐竹勘壽
 菅秀才   桐竹勘次郎
 よだれくり 桐竹紋秀
 女房千代  吉田文雀
 小太郎   吉田蓑次
 下男三助  桐竹紋吉
 武部源蔵  吉田和生
 春藤玄蕃  吉田文司
 松王丸   吉田玉女
 御台所   桐竹亀次



 
近松門左衛門=原作
日本振袖始(にほんふりそではじめ)
    
 大蛇退治の段
 鶴澤清治=補綴・補曲
 尾上墨雪=振付

 
 岩長姫  豊竹呂勢大夫
 稲田姫  豊竹咲甫大夫
 素戔嗚尊 豊竹芳穂大夫
 ツレ   豊竹靖大夫
      鶴澤清治
      鶴澤清志郎
      鶴澤清𠀋
      豊澤龍爾
      鶴澤清公

 
 稲田姫  吉田一輔
 爺    吉田玉勢
 岩長姫  桐竹勘十郎
 素戔嗚尊 吉田幸